今週の親力診断テスト

[ 問題 ]
あるお母さんが、子供たちとピザを食べるときに、いい機会だからと分数を教えることにしました。「4つに切った1つ分を4分の1というんだよ」などと説明していたら、隣の家の人が回覧板を持って来ました。そして、「今はそうやって教えないんだよ。学校と違う教え方をすると子供が混乱するから、やめた方がいいよ」と言って帰りました。4年生の子供の教科書を見てみると、「4つ合わせて1メートルになるはしたの長さを4分の1メートルといいます」と書いてあるではありませんか。お母さんは、初めて見る分数の説明に驚いてしまいました。あなたならどうしますか?
  • とりあえず、自分のやり方で教える
  • 教えるのはやめて、学校に任せる
  • 教科書を見ながらその教え方で教える
  • 今はやめて、教科書の教え方を理解してから、分かりやすい方で教える
診断結果生活の中で絶好の機会を生かすことが大切
生活の中で、機会をとらえて算数的なことに触れることが大切です。Aのように、どんどんやってください。Dもいいのですが、あまり構えると気楽にできません。Cは相手の子供次第です。Bでは、なんの準備もなくいきなり教室で抽象的な分数を教わることになり、抵抗が大きいといわざるをえません。
Aを選んだ人:
自分が教わったやり方とは違ってきていると大人が感じることは、けっこうあります。といっても、昔は昔で色々な教え方がありましたし、今は今で教科書によって少しずつ違う教え方をしているのです。
ですから、細かい点にあまり神経質になる必要はないのです。それより、絶好の機会をとらえて、自分なりのやり方で話してやる方が子供のためになります。それが学校での教え方とは違っていても、それがかえって考え方の幅を広げることにもなりえます。
Bを選んだ人:
あまり神経質になると、家庭での絶好の機会を生かすことができません。このような実際の生活の場で実物を目にしながらやる算数が、一番身に付くのです。具体的で分かりやすいし、強く印象に残るからです。
実物のピザを目の前にして分数を教えるなどということは、学校ではなかなかできないことです。
Cを選んだ人:
子供が混乱しなくてすむように、実際に学校で教えると思われるやり方で教えようというわけです。まさに親心です。
でも、問題は、急に“勉強”という感じになってしまうということです。子供がそれについて来ることができればいいのですが、そうでない子もいると思います。それに、担任の先生が必ずしも教科書のやり方で教えるとは限りません。なぜなら、教科書に出ているやり方がいつも最良とは限らないからです。
Dを選んだ人:
とても慎重なやり方です。教科書の教え方と自分の教え方を比べて、分かりやすい方でやるというのはいいですね。
でも、これはけっこう面倒でもあります。分数ではできても、今度何か絶好の機会があったときにもできるか分かりません。食事の割り勘の計算をしていて、割り算に触れる機会があるかもしれません。毎回このように慎重にはできないでしょう。一番大切なことは、生活の中で機会を逃がさないということです。これを最優先してください。
ポイント

教室で算数を教えていてよく感じるのは、具体的な生活の中で算数的な経験をしている子は強いということです。今回の例のように、ピザを食べるときに少しでも分数に触れておくと、教室で分数を勉強するときに理解度が全く違ってきます。これを、私は「算数のある生活」といっています。

例えば、料理用のはかりを食卓において、重さの量り方を教えます。すると、子供は楽しみながら、いろいろな食べ物の重さを量ります。 そこで、グラムとかキログラムという言葉を覚えます。それが重さの勉強に大いに役立ちます。

例えば、計量カップをすぐ使えるように用意しておきます。そして、「花に水を50ミリリットルやろう」とか「牛乳を2デシリットル飲もう」などと言って量るのです。これは、水のかさの勉強に大いに役立ちます。

こういう経験があるのとないのとでは、教室で算数を勉強するときに、理解度が全く違ってきます。

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