今週の親力診断テスト

[ 問題 ]
A子さんが子どもの日記を見たら、次のように書いてありました。「日曜日に家族で遊園地に行って来ました。お父さんは前の日に会社で嫌なことがあったらしく、なんだか不機嫌そうでした。妹が観覧車のところでふざけたので、お父さんに怒られました。それを見て、私とお兄ちゃんは、こっそり『今日はお父さんイライラしてるから気を付けた方がいいみたい』と話し合いました。でも、その後すぐに、お兄ちゃんと私はお菓子の取り合いをしてお父さんに怒られました。せっかく話し合ったのに、と思いました。今日は楽しかったです」。これを読んで、A子さんは「今日は楽しかったです」というところが気になりました。日記は正直に書くべきだと思うからです。あなたならどうしますか?
  • 「日記は正直に書いていいんだよ。ここは『今日はつまらなかったです』の方がいいんじゃない?」と言う
  • 「日記は正直に書いていいんだよ。ここは本当の気持ちではないでしょ?」と言う
  • そのままにしておく
診断結果楽しくなかったはずなのに、日記の最後に「楽しかったです」と書いてある。どうする?
「楽しかったです」には、深い意味があります。一番いいのはCです。
Aを選んだ人:×
日記は正直に書いていいと教えることは大事です。でも、これではお節介が過ぎます。それに、この日記は正直に書いていないとは言えないと思います。
Bを選んだ人:
Aほどではありませんが、これもお節介です。
Cを選んだ人:
この子は、お父さんがイライラしていたことや自分たちが怒られたことをずっと正直に書いてきて、それでも最後に「楽しかったです」と書いています。子どもの書くものにはこのようなものがけっこうあります。大人が読むと不自然に感じられるのですが、子どもがこう書くのには理由があります。それについては、下のワンポイントをお読み下さい。
ポイント

子どもが最後にこういうことを書くのは、嫌なことを書いたまま終わりたくないという気持ちがあるからです。つまり、自分の精神衛生上よくないので、最後にハッピーエンドにしてバランスを取っているのです。

これは、大人の書くいろいろな文章でも同じです。また、漫画、テレビドラマ、ドキュメント番組、映画なども、そのほとんどがハッピーエンドで希望を残して終わります。途中がどんなに悲惨でも、最期はハッピーエンドにしたいというのは本能的な欲求なのです。ただ、子どもは技術が未熟なので、よくないことを書き連ねた後で突然「楽しかったです」になるのです。

もしこれを禁止すると、かえって途中を正直に書けなくなる可能性があるのではないでしょうか?

「大人に読まれることを意識して、気を遣っているのではないか?」とか「もっと正直に、つまらないものはつまらないと書けるようにしてやりたい」などの意見もあると思います。

もちろん、そういう面もあると思います。でも、誰かに読まれることは分かり切っているのですから、完全に内面の全てをさらすような日記は子どもでも書けないのです。それは、子どもといえども人前で裸になれないのと同じです。もし書けるとしたら、社会性など別の面で問題があると言えます。

私は、この日記は十分正直に書いていると思います。ですから、正直に書くことの大切さを教えたいなら、正直に書いている部分をほめてやればいいのです。

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