今週の親力診断テスト

[ 問題 ]
授業参観の前の日、小学4年生の娘がこう言いました。「明日は大好きな理科だから、がんばって今度こそ絶対発表するよ。だから、いま理科の教科書を読んで勉強してるの」。ところが、当日、いざ授業が始まってみると、なかなか手を挙げられません。発表したい様子は伝わってくるのですが、手を挙げることができません。とうとう、一度も手を挙げることなく終わってしまいました。その日の夕飯になりま した。あなたの対応は、正直にいって、次のどのタイプですか?
  • 「ちょっとがっかりしちゃった。この次はがんばってよ」と言う
  • 「発表だけが勉強じゃないんだから、気にしなくていいんだよ」と言う
  • 「発表したくてうずうずしていたね。手も挙がりかかっていたね」と言う
  • その話題には触れないで、そうっとしておく
診断結果 子供の内面にあることを引き出してやることが大切
子供が落ち込んでいるときは、心の中にあることをどんどん話させることがとても大切です。Cのように誘い水を向けることで、子供は自分の内面を語り出します。Bでは、親の結論の押しつけになってしまいます。Dでは、かえって子供のストレスがたまります。Aの「がっかりした」は、絶対言ってはいけない言葉です。
Aを選んだ人:
一番がっかりしているのは、ほかならぬ本人です。その上で、親に「がっかりした」と言われるのは、子供にとってとても辛いことです。親に「がっかりした」と言われると、子供は自分が丸ごと否定されたように感じるものです。これは、親が子供に絶対言ってはならない禁句の1つです。親はけっこう気楽に言いますが、言われた子供の方は大きく傷つきます。場合によっては、親への不信感に結びつきかねないほどの危ない言葉なのです。
Bを選んだ人:
この子は、発表できない自分をなんとか変えようという気持ちのある子です。今も、その気持ちは変わっていないかもしれません。それなのに、親がこのように言ってしまっては元も子もありません。最終的にはこういう言葉が必要になる場合があるかもしれませんが、本人に向上心があるうちはまだ早いと思います。親が決めつけたように何か言う前に、子供が思っていることを引き出して聞いてやることが大切です。
Cを選んだ人:
この言い方は、実際に発表はできなかったもののやる気はあったことを認めています。このように言うと、子供は自分の思っていることを素直に話し始めます。手を挙げたかったけど挙げられなかったときのことや、今思っていることなどを話し始めます。親は、その子の気持ちに応じて、対応を変えることができます。子供の内面を語らせる誘い水として、とてもいい言い方です。
Dを選んだ人:
これはかえって不自然でしょう。Cのように誘い水を向けて、思っていることをどんどん話させた方がいいと思います。鬱屈した気持ちを吐き出すことで、ストレス解消になります。また、うまく話を引き出してやれれば、自分を見つめるきっかけにもなります。夕食のときなどに、このような時間を毎日持つといいと思います。これは、 子供の心の安定と健やかな成長に欠かせないことです。
ポイント

低学年のうちは、男の子も女の子もとてもよく発表します。 中学年でも、それほど変わりません。でも、小学4年生の後半くらいから、ちょっとした変化が訪れます。男の子はそれほど変わりませんが、女の子がだんだん発表しなくなるのです。

この時期、女の子には内面的な変化があるようです。思春期の始まりの始まりという感じです。そして、この頃から、男の子と女の子の内面のギャップが大きくなりだします。5,6年生になると、同じ学年の子とは思えないくらいの差になります。それが、授業中の発表にも表れてくるのです。

発表はこのような、内面の成長とともに、個人の性格も関係しています。性格的に発表に向かないという子もいます。ですから、あまりやみくもに「発表、発表」と言いすぎてはいけません。

でも、本人に発表をがんばろうという気持ちがあるのなら、その気持ちも大切にしてやりたいものです。いずれにしても、本人の心の内を知って対応する必要があります。 それが分かれば、もう一押しが必要なのか、それとも、あまり言わない方がいいのかも分かってきます。つまり、いきなり親の考えを押しつけるのではなく、自分から話し始めるように仕向けることで、本人の心の内を知って対応することができるのです。

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