教えてくれるのはこの人!
大葉ナナコさん 「大葉ナナコさん」バースコーディネーターとして活躍。私生活では2男3女の母。日本誕生学協会 代表理事。URL:http://www.tanjo.org/

【CASE6】お風呂に一緒に入るのは、いつまで?

日本ならではの育児習俗「親子でお風呂」

子どもと一緒にお風呂に入るのは日本ならではの風習で、アメリカなど欧米で親子一緒にはお風呂に入りません。子どもとであろうとなかろうと、そもそも湯船に入る習慣がないので、1人でシャワーを浴びるのが普通です。驚くことに、欧米の子どもたちは親の裸を見たことがないのが普通だと言います。シャワーでしたら、一緒に入ってもどちらかが冷えてしまいますものね。

実は、親子が川の字型で一緒に眠ったり、産後の母乳マッサージなどは、日本だけの育児習俗の特徴なのです。満員電車の中で隣の人とくっつくことに耐えることができるのも、日本人だけと言われています。私生活を守る個人主義の欧米に比べて、日本はオープンです。隣人と銭湯で会って、背中を流し合ったりして地域がみんな家族のように暮らすのも、日本の文化のひとつでしょう。

次世代の親子たちも、親子でお風呂に入る文化を長く続けてほしいものです。これも立派な文化継承ではないでしょうか。

性のこと、からだのことを伝えるチャンス

子どもといつまで一緒にお風呂に入るかという素朴な疑問ですが、健常な発達や感性を持つ子どもだったら、中学生になっても親と入りたいという子は少ないでしょう。個々の発達によりますが、子ども本人が構わないというなら何歳まででも一緒に入ってよいでしょう。

子どもが親を異性と意識し始める時期は、性的な発達が始まる時期である「9歳」をひとつの目安にするとよいでしょう。
男子であれば精巣が発達して、射精が始まるのは9歳以後で、11歳〜12歳で平均20〜25%の男子が精通経験があります。

放っておいても、中学生になれば親とは一緒にお風呂に入らなくなります。特に女子は、小学4年生ごろになると、父親とお風呂に入らなくなる子がほとんどです。男子は女子に比べて発達がスローなので、小学校卒業くらいまでは親とお風呂に入るでしょう。

お風呂に一緒に入ったときほど、からだの発育や性についての正しい知識を伝えるチャンスもないかもしれません。

からだを洗ってやれる最後の時期を愛しむとともに、これから10年くらいをかけて、からだが大人になる準備を始めることや、性毛が生えてくる理由、生理が来る理由、成長はとても素敵なことなのだというメッセージを伝えてみませんか。

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