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社会に出て挫折しないための「仕事」の話

子どもと働くことについて話したことはありますか?

キャリア教育に関する書籍などを読んでいると、親が持っている社会経験などをもっと語るべきではないかということが述べられています。
私も、お父さんやお母さんをはじめ、大人はもっと自分自身の仕事体験などについて、子どもたちに話してもよいのではないかと思いました。
子どもたちと実社会(ビジネス社会など)との接点を、もっと多くしていくことが必要になってくるのではないでしょうか。

最近では、ハンバーガーチェーンや宅配便など様々な仕事体験ができる「キッザニア東京」があります。
また、学校などにおいても、職場体験する機会が設けられてきています。
では、家庭内において、子どもたちと実社会とをつなぐことはできないのでしょうか。

高度経済成長期の以前には、自営業者とサラリーマンとの割合は「7:3」で、自営業者の方が多かったと聞いたことがあります。
こういった時代においては、「住居(生活場)」と「仕事場」が一致していたことが多かったと思うので、子どもたちが目に見える形で、身近に仕事や社会の仕組みなどを感じることができたのかもしれません。

現代においては、自営業者とサラリーマンの割合は逆転しており、圧倒的にサラリーマンの方が多くなっています。
子どもたちは、お母さんやお父さんが朝に自宅を出かけていって、夜に帰ってくるという姿を見ることが多くなります。
「住居(生活場)」と「仕事場」が分離している中で、子どもたちはなかなか仕事場を見る機会がないので、実際にどういった仕事をしているのかわかりません。
こうした中で、家庭内において子どもたちが仕事や社会の仕組みなどを知るきっかけづくりをするには、父親や母親をはじめとした大人たちが、仕事体験などを語っていくことも大切になってきます。

いざ、自らの仕事体験を語るといっても、
「仕事に強い思い入れがない」
「淡々と仕事を続けているだけ」
「子どもたちに語るほどの逸話がない」
など、様々な理由を挙げてしまって、子どもたちに語るような仕事体験はないと考えてしまうかもしれません。

なにも、逸話や教訓めいたことばかりを話す必要はありません。
「自分はこうやったから、うまくいった。あなたもそうしなさい」
といったようなことばかりを聞かされると、うるさがられるでしょうね。

教訓めいたことではなく、日々の仕事を通じて感じたことや気づいたことなどを語っていけば良いのではないと思います。

たとえば、
「今日、お客様と話していたら、『笑顔がいいですね』と言われて、とてもうれしかったよ」
「この前、企画書を出したんだ。でも、却下されちゃった。今回は、残念だったけど、次はもっと工夫しようと思っているんだ」
といったように、自分が感じた気持ちを肩肘張らずに、語っていけばよいのではないでしょうか。
でも、愚痴にならないように気をつけたいですね。

また、経済・社会環境などが急激に変化している中で、自分が過去または現在において体験したことが、子どもたちの参考にはならないと判断してしまうこともあると思います。
たしかに時代背景などが違うことによって、方法や手法といった側面においては、その時代に適する形で変化することはあります。
しかし、時代が変わろうとも、基本的な考え方や土台となる考え方などは、変わらないことも多くあるように思います。

「大人が自らの仕事体験について語る」
「企業に訪問して仕事を疑似体験する」
など、実社会との接点を持つ様々な体験をすることによって、子どもたちが実社会に出た時に感じるギャップを、少しでも埋めることができるのではないかと思います。