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“学び合い”に必要なこととは?

自ら行動していれば「自主性」がある?

今回は自主性についてお話ししていきます。
自主性とは自分から学び行動を起こす、能動的な状態であれば良いというものでもありません。仮に能動的であっても、周囲のことを考え多様な価値観を受け入れた上のものでないなら、それは自主性というより独善的な行動。とてももったいないと思うのです。

授業でも自分が当てられる時だけ考え、他の生徒が発言をしている時は聞いていないという場面を見かけます。聞いていても正解か不正解かという点だけで「なぜその発想に至ったのか」という部分には関心を向けていない状態。
生徒から見れば生徒と教師は1対1ですが、学ぶ対象まで1対1のままなのかと言えばそうではないはずです。クラスに30人いれば学ぶ対象が30人いるはずで、教師からだけ学ぶものだという発想を変えなければいけないのだろうと思っています。
だから「相手の話をしっかり聞く」という習慣が大切であり、そのためにも大人が生徒の話をしっかり聞く態度を示す必要があるのです。

仮に話の内容が間違いだと気付いても、まずは話をさせて、しっかりと聞いてあげることができているかどうか。これを確認しなければいけません。
そうやって他者の意見・価値観に耳を傾けることを当たり前とする土台を作った上で、自主性を伸ばすことを考えていきたいのです。

正解・不正解ばかりを追いかけて、発問しても「はい、正解です」「違います」といった切り返ししかできない先生がいます。しかし正解している時こそ、
「そうそう、正解!で、どんな風に考えたの?」
と一歩突っ込んで聞いて考え方を言わせることが大切なのです。生徒が正解していることに満足をして、後の説明を先生がしてしまっているケースを非常に多く見かけます。そうなると結局、学ぶ対象が教師1人だけになってしまうので、お互いから学ぶ習慣も育ちにくいのです。

積極的に「自分はこう考えた」という意見を生徒自身の言葉で話させることが、学び合いの第一歩であり、それを成立させるために「相手の話に耳を傾ける」という土台を作ることがさらに大切なのではないでしょうか。
そうやって「自らアンテナを広げて学ぶ自主性」を育て、自ら考えて行動する力、学ぶ力、生きる力を育てていきたいものです。