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子どもの不安を解消するには

成長の中で、子どもが抱える不安

育ちを理解するために設けられた、『子育ち12指標』というものがあります。
物心つく頃から、冷静に自分を見るもう1人の自分が誕生します。これが第1指標『自我の誕生』です。
さらに、もう1人の自分が、自分を特別な存在ではなく他者と同じ大勢の中の1人に過ぎないと考える育ちが、第2指標『自他の連結』です。他者を同時に視野に入れることで人として育っていくのです。
ところが、自立の途上である子どもは不安な気持ちにおそわれます。雑踏の中で人は孤独感を味わうと言われますが、それは誰ともつながりがないことを知っているからです。子どもは不安になれば、育ちを止めて閉じこもります。

好きな人とお揃いであることはうれしいものです。子どもは友達と同じものを欲しがります。同じモノを持つ、同じ番組を見る、同じ趣味である、ということで仲間としてのつながりを得ることができます。自分はひとりぼっちではないという安心感、それは普段ほとんど気に留めることはありませんが、実はとても大きなことなのです。たとえばシカトされてつながりを奪われてしまったとき、そのつらさは生きる力をも奪うことになります。

不幸にも虐待を受けている子どもが、それでも親を嫌いにはならないというのは理解しにくいことです。自分がわるい子だから親が叱ってくれていると、もう1人の自分が思いたいのです。
いたずらばかりして親を困らせる子どもがいます。いたずらをすると親が自分に注目していると感じているのです。逆にほめられた経験があると、もっとほめられたいと繰り返してきます。
どんな時でも、子どもは母親と気持ちのつながりを持とうと願っています。そうしないと不安になるからです。

子どもは後から赤ちゃんが生まれるという状況に遭遇すると、自分を赤ちゃんに戻すこと(赤ちゃん返り)があります。かまってもらうための苦肉の策です。母親の関心が赤ちゃんにあるのなら、自分も赤ちゃんになればいいと単純に考えています。自分がお兄ちゃんやお姉ちゃんであることが母親の関心を引かないと思わされているからです。
「あなたはあなたのままで、とても大切」という母親からのメッセージを受け取ることができれば、もう1人の自分は、今の自分でいた方がいいと安心することができます。

気持ちが落ち込んでいる人がいたら、しっかりと抱きしめてやることでしょう。人の懐は温かいのです。具合が悪い人がいたら、そっと手を当てます。手当はぬくもりをお裾分けして元気を引き出します。
子どもにとって母親の懐は、究極の心のふるさとです。文字通りの触れ合い、スキンシップは幼い子どもには不可欠な体験です。十分な触れ合いがあれば、安心して親離れをして育っていきます。ただし、いつでも逃げ込める場所として母親の懐は開かれていると信じさせておきましょう。