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子どもを伸ばす“ほめポイント”

「良い子だね」ばかり言っていると…

ほめることは、良いことです。
子どもは、ほめられることで認められていると実感できますし、意欲も育ちます。そして何より、嬉しい気持ちになれます。「ほめて伸ばす」という表現もありますが、子どもは、ほめられることで次の課題にチャレンジする勇気を得ているのだと思います。

もちろん、叱られて成長する要素、悔しさをバネに伸びることもあるでしょう。しかし、叱られた後にまた一歩を踏み出したり、悔しい思いをした時に再度立ち上がるためには「自分は、やればきっとできる」という自己信頼感が必要不可欠です。
そしてその自己信頼感は、過去の自分の努力が認められてきた経験から培われるものだと思うのです。

一方で、何でもほめていれば良いというわけでもないのが難しいところです。また、ほめる『対象』として適している/適していないという観点もあります。これはあまり意識されない点なので、詳しくご説明しますね。
まず、適していないものですが、以下の3つが挙げられます。

◇人格・性格
私個人の価値観ですが、ものの考え方として『良い性格』と『悪い性格』、『良い人』と『悪い人』があるというメッセージを子どもに与えたくありません。
また、子どもはいつでも『良い子』なわけではありません。『良い子』『おりこう』とばかり言われていると、「パパは、様々な思いを持つぼくのことをちゃんと理解して受け止めているんだ」との印象は受けにくいでしょう。
中には「おまえは良い子だ」「パパは信じているよ」と言われすぎた子が、「それは違う!」と主張するためにひどいイタズラに走ったとの事例も聞いたことがあります。

◇行為
『お友達にオモチャを譲った』などの行為そのものも、ほめる対象としては適していません。
理由のひとつは「思考停止リスク」。親の気がつくことはたいてい偏っている(自分の関心がある分野・得意な分野で多くのことに気づくのは自然なこと)ので、子どもが「○○さえしていれば、パパに認めてもらえるんだ」との思考停止に陥る恐れがあります。
もうひとつの理由は、子どもの複雑な思いを気づかずに切り捨ててしまう恐れです。行為をほめていると、子どもの心の中にあった「貸したくないけど…」を我慢した点が話題から漏れやすくなります。その結果、子どもが「ぼくの気持ちより、他の子がオモチャを使うことの方が、パパにとって大事なんだ」との思いを抱く恐れがあるのです。

◇作業の出来ばえ
この点はケース・バイ・ケースかも知れません。しかし、「絵が上手に描けてすごいね」との言葉の向こう側には、「上手じゃないと、やっぱりダメなんだろうなぁ」との影も見え隠れします。
お料理の手伝いをして上手に野菜が切れた、積み木を高く積み上げることができた、などほめても良さそうな場合もありますが、それらの場合も『作業の出来ばえ』よりも優先してほめてあげたいもの(後述)があるはずです。