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大仏だけじゃない!奈良・東大寺を知ろう

「お水取り」って何?

奈良の東大寺開山以来、今年で1,257回目を迎える伝統儀式です。陰暦の2月1日から14日まで行われていましたが、太陽暦の採用とともに1ヶ月遅れとなって3月1日〜14日となりました。
旧暦2月の法会なので修二会(しゅにえ)といいます。
東大寺の二月堂の本尊、十一面観音に対して、選ばれた僧侶11人が一般の人に代わって苦行を行い、現世の罪を許してもらうという、とてもありがたい儀式です。

3月1日の午前2時にこれまでの火を消し、新たに浄火を灯します。今後一年間、この火を使っていきます。
毎日いろいろな修業をして、その間食事は一日一度。水も食事のとき以外は飲めません。12日になるといよいよお水取りとなります。

東大寺二月堂の下の閼伽井屋(あかいや)から、この日だけ湧くという香水を汲み、根本香水の壺にいれます。この壺には1257年前の水も入っていますので、ここで混ざって聖水となります。
この水は少し汲みだして信者に配られます。これがお水取りの行事です。
これに合わせて、11本の大松明を振り回し信者に火の粉を降りまきます。昔から、人間は火を見ると興奮するんでしょうね。これでクライマックスを迎えます。

なお、松明を振るのでお水取りのことを別名『お松明』とも呼びますが、俳句や短歌の世界で『お松明』というと嵯峨清涼寺の火祭りの柱松明を指しますのでご注意ください。
嵯峨清涼寺の火祭りの時期は、3月15日です。

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お水取見て来し睡き人とをり
              後藤夜半
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(後藤夜半:明治28年大阪生まれ。『諷詠』主宰。箕面の滝で詠んだ「瀧の上に水現れて落ちにけり」の句が、「これぞ写生句」と高濱虚子に絶賛された)

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