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本当の自立を目指すには

人に頼ることは、いけないことか

今回は「自立」についてです。
子どもには自立してもらいたい。自立した大人になってもらいたい。
このように願っている親御さんはたくさんいます。

私も、自分の子どもに対してそう願う親のひとりです。たしかに、自立は大切です。しかし、子育ての現場であまりにも強く自立を強制しすぎると、本当の意味での自立とはかけ離れる場合があります。
それでは、そもそも自立するとはどういうことでしょう?

自分できちんと働いて、自分で生活ができる。自分の目標や志があり、その自己実現のために日々楽しく生き生きとしている。
簡単にザックリと表現するとこのような感じでしょうか。そして、これは大事なことです。
さて、ここで皆さんにご質問したいことがあります。
私たちは自立した大人ですが、すべてを自分1人でできますか?ちょっと考えてみて下さい。
仕事、あとは家庭内のこと、プライベートや趣味などもそうです。それらすべてを自分1人でできるか。全てを1人で完結できるか。考えるまでもなく、これは不可能ですよね。

いろいろな人の協力、いろいろな人の知恵、あるいは物やシステムに頼ることもあるでしょう。そうやって、私たちは生きています。「自立=すべて自分でやる」ではありません。子どもに教育していく中で、「自立=すべて自分でやる」という考え方を刷り込みすぎると危険です。
人に聞かなければいけないときに聞かない。人に頼った方がいいときに頼れない。そんな大人に育つ可能性が高いからです。

自立の基本は、自分でやれることは精一杯やる。
そして自分を磨く。
自分を高める。
自分を成長させるために勉強する。
…ということです。
しかし家庭、地域、社会で生きていく中で、すべてを自分でやることは不可能なのです。「すべてやれることが自立だよ」という教えは危険なのです。

私は、いろいろな方と接する機会を持たせていただいています。ビジネス系のサポートもしておりますので、小学生や中学生だけでなく、大学を卒業したばかりの若い方と接することもあります。
つい先日も、若い方とゆっくり話す時間がありました。話していく中で私が感じたのは、「わからないことを、もっと先輩や仲間に聞けばいいのになあ」ということ。その人は、「聞くということは人に頼ってしまうことだから、自分で全てをやらなければいけない。でも、どうしたらいいのかわからない」という迷路に入っていたんですね。

こういう場合どうすればいいのか?
人に頼る!素直に教えてもらう!
何か変ですか?別にこれでいいですよね。

もちろん、自分でやるべきことはしっかりとやる必要があります。そして、本当にわからなければ人に聞いてみる、教えてもらう、人から学ぶ。このような姿勢も大事なのです。
そこで必要になってくるのが「依存」です。自分でやってみることが大前提。でも、困ったときには素直に人に頼る、教えてもらう。このバランスが必要なんですね。

自立という言葉に縛られすぎて、なんでもかんでも「自分で自分で」となってしまうと、本当に辛くなって自分を追い込むことになります。時には、依存することも大事なんです。ただ、何でもかんでも依存すると、まわりに迷惑をかけることになります。
依存の仕方、依存の使い分けが必要なのです。それができると、「この人は自立した人間だな」とまわりも認めてくれます。

そして「やれることは一生懸命自分でやって、頼るべきことは人に頼って」と、自立と依存のバランスが取れた人に育ちます。人ともリレーションシップ(連携)がとれる、充実した人生を歩むことができます。