親として知っておきたい、
子どもの失敗フォロー術
感情的に叱ると、子どもは萎縮してしまう
子育てで難しいのは、どこまで失敗させて大丈夫なのかの判断だ。いちいちお母さんが失敗する前に注意を与え、叱っていたら、子どもはどんどん萎縮するかお母さんの顔色を見て行動するようになる。
かといって野放しにしていれば、大きな怪我を負ったり、予想も付かない出来事に遭遇してしまったりする可能性が大きい。
それではどうすればよいのか。答えは意外と簡単で、自分の前で見守ってあげればよいのだ。
学校に行っている時は、先生や友達に見守ってもらえると思って、あれやこれやと前もって注意を与えないこと。
近所に遊びに行っていれば、最低のルールを教えて、あとは友人や近所のお母さんに見守ってもらえると思っていればよいのだ。
それだけで子どもは随分と伸び伸びするはずだ。それ以外に望むとすれば、それはない物ねだりだ。
そして重要なのは、失敗した後のフォロー。失敗を責めないことだ。
それよりも失敗した状況を聞き、失敗した時の子どもの気持ちを聞き、またこの失敗をしたいのかどうかを聞いて、失敗をしないために今度はどうするのかを確認することだ。
お母さん :どうしたの?何か学校であったの?
A君 :別に…。
お母さん :そお?何かあった顔してるけど?
A君 :別に、何にもないよ。
お母さん :ならいいけど。今日はいいことあったの?
A君 :何もないよ。
お母さん :何かあったんじゃない。お母さんに話してみてよ。すっきりするから。
A君 :え〜?どうしようかな?…実は、B君と喧嘩したんだ。やつが僕の
消しゴムを投げたんだ。
お母さん :そうなんだ。B君と喧嘩しちゃたんだ。消しゴム投げられて、あなた
はどうしたの?
A君 :頭に来たから突き飛ばしたら、B君が僕を殴ってきたんだよ。
お母さん :ところで、何でB君はあなたの消しゴム投げたの?
A君 :それは…。
お母さん :あなたもB君に何かしたの?
A君 :言いたくないよ。とにかく、B君が悪いんだ!
お母さん :B君と喧嘩して、どんな気持ちになった?B君のことじゃなくって、
喧嘩したこと自体よ。
A君 :え〜。何か、嫌な感じ。
お母さん :B君と喧嘩しない方法はあったのかな?
A君 :わからないよ。喧嘩しちゃったんだから。僕がB君に変なこと言わ
なかったら、消しゴムを投げたりしなかったのかな?
お母さん :喧嘩の原因を、あなたはわかってるんだ。じゃあそれでいいわ。
明日は頑張って仲直りしてきなね。
A君 :それは、どうかな…。
叱っていなくても叱った効果と同じか、それ以上の効果がA君にはあるはずだ。お母さんは、感情に流されずに対応してみることだ。感情と感情がぶつかり合っても、子どもには、何もいいことはないのだから。
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