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親に反発する子への向き合い方

子どもは親の本心を見抜いている

聞き分けの ない子は親の 映し鏡

心の発達に関心を持つようになって、「聞き分けのない」という状態は何を基準に、何をもって言っているのだろうかと考えるようになった。
親もしくは大人、目上の人の言っていることに対して子どもが反発することを指しているとは思うが、それが必ずしも悪いことだとは言えない。

そこで、どんな状況の時に子どもが聞き分けのないことを言うのかを考えてみた。
もちろん子どもは自分の主張が通らない時に、聞き分けのないダダをこねることが多い。おそらく皆さん方のお子さんの場合もそうなのではないかと思う。
この時、親ならば一歩引いて、子どもの不満がどこにあるのかを聞いてみる必要があるのではないか。

しかし、聞くにしても親側に子どもを責める気持ちがあれば、子どもは素直にはならないし、かえって逆効果ということにもなりかねない。
それはなぜなのか?

子どもは、親の発する言葉の奥に隠された心の声を聞くからにほかならない。
たいていの場合、大人は子どもに対して、指示、命令、禁止でもって大人の言うことを聞かせようとする。それは視点を変えれば、親のわがままと言えるのではないかと思う。そんな時、子どもの心はどこに行けばいいのか?

素直に親の言うことをきくのか、それとも親だからといってわがままは通さないぞと反発をするのか。
そういった選択肢しか子どもには与えられていない。反発するのも子どもの小さな自己主張だということを、親なら知っていてほしい。

私は、変に素直な子ほど将来的に見て怖いと思う。
親のわがままを通さない子どもの反発は、親が自分自身を見つめ直すためには絶好の機会だと思う。親がわがままを通そうとすれば、その子どもも自分自身のわがままを通そうとするのは当たり前である。
人間というものは本質的に、されたことしかできない動物だからである。そのことをよく考えてみてほしい。

特に乳幼児期の子どもは、まわりの人の言葉使い、態度、行動などの模倣をすることで心身ともに発達していく。
もし自分の子どもに聞き分けがなければ、親として自分自身に頑固なところがないかどうかを見つめ直してみる必要があることを、子どもは訴えているということである。
きっと心当たりのある親は多いと思う。自分の都合で子どもに言うことを聞かせようとしていたと感じたならば、子どもに素直に謝って、子どもの成長を喜び、感謝する。すると子どもはどんどん成長していく。

子どもは物に執着して、聞き分けのなくなる時がある。「あれがほしい」「これ買って」などと言って親を困らせることもある。
そんな時でも頭ごなしに否定して怒るのではなく、どうしてそれがほしいのかを、子どもの気持ちを受容する気持ちで聞いてみるべきだ。
ひょっとしたら親を試しているのかもしれない。子どもが本当にほしいものは要求した物ではなく、ほとんどの場合は親からの愛情なのだ。
子どもの心だけでなく自分自身の心ともしっかりと向き合うことが、大人にとって必要なことなのである。