演奏が楽しくなる!リコーダー上達法
“つまずくポイント”を確認しよう
あこがれのリコーダーを初めて手にした小学3年生。
「リコーダーを吹きたくてたまらない」という気持ちは、「ソ」「ラ」「シ」と1つ運指を覚えるたびにどんどんふくらんでいきます。
ところが、1つずつの音を吹く時には出ていた音も、2つ以上の音をつなげて吹こうとした時に、自分が思うような音ではなくなり、壁にぶつかる子どもが増えてきます。
そこで、子どもがリコーダーの音色を楽しみながら学習に取り組めるための支援を考えてみました。
1.あこがれる音色と出会い、期待感をふくらませる
運指を少し覚えた子どもたちが、「できそう」「やってみたい」と思うものを探して、教師の範奏で提示してみました。具体的には、次の3つです。
○ 救急車のサイレン(シーソーシーソーシーソー)
○ チャルメラ(ソラシーラソ、ソラシラソラー)
○ 『さよなら』パート1(教育芸術社『音楽3』掲載曲)
2.あこがれの音色と聴き比べ、問題点を見つける
子どもたちはすぐに挑戦してみますが、自分たちの音色が教師の範奏と違うことに気付き、原因を探ります。そして、自分たちの演奏の問題点を次のように予測しました。
○ 指穴が押さえられない
○ リコーダーがぐらぐらゆれる
○ 息が強すぎる
○ タンギングができない
3.自分の問題点を解決するために、ペアやグループで聴き合いながら練習を繰り返す
子どもたちは、自分たちの予測を手がかりに、ペアやグループで協力しながら練習を繰り返します。そこで、演奏の問題点を自分たちで解決できるように、次のような活動を取り入れてみました。
◇「指穴が押さえられない」を解決するために
赤の水性ペンで指穴の縁を塗り、指のどこで指穴を押さえているかを確認する
演奏する前に、リコーダーの指穴の縁を赤い水性ペンで塗っておくと、くっきりと指に赤い○がつきます。指のどの辺りで指穴を押さえているのかを確認できるので、自分の癖をつかみやすくなります。
◇「リコーダーがぐらぐら揺れる」を解決するために
ペアの相手にリコーダーを持ってもらい、リコーダーがぐらぐら動かないようにします。
リコーダーを持ってもらうことによって演奏しやすさを体感できるので、リコーダーを揺らさないように、右手の支え方や指の替え方を工夫するようになります。
◇「息が強すぎる」を解決するために
指穴をビニルテープでふさいで、正しい音が出る息の強さを見つけます。
例えば「ソ」の音で息の強さを確認したい場合は、「ソ」の時にふさぐ指穴にビニルテープを貼ります。息の強さで音が変わることを確認しながら、適当な息の強さを見つけることができます。ビニルテープなので、少しずつめくっていくことで「ラ」「シ」と、他の音でも息の強さを確認することができます。さらにリコーダーの前の部分に貼ったビニルテープを横に貼りかえて「ド」の音でも確認できます。
これらの活動を取り入れながら、子どもたちはペアやグループであこがれの音色に近づくために練習を繰り返していきました。
4.あこがれに近づいた音色を全員で聴き合う
「救急車になったね」「リコーダーが揺れなくなったよ」など、全員で聴き合う場面では、互いの演奏を認め合う姿をたくさんみることができました。
「思うように指が動かない」というのは、4年生になった子どもたちから聞く悩みです。ここを乗り越えて更にリコーダーを楽しめるよう、支援を工夫していきたいと考えています。
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