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親子で学ぼう!
世界に依存する国・日本の水事情

蛇口をひねれば水が出るのは、当たり前?

我々人間は水がなくては生きていかれません。飲み水としての水のみならず、あらゆる家畜・作物を育てる為にはたくさんの水が必要です。
私たち日本人にとっては、水道をひねればすぐに安全な水にありつくことができます。しかしながら、これほど水質の良い国は世界的にはそう多くはありません。

実際、安全な飲料水を利用できない人口は11億人。これは世界人口の18%にあたります。基本的な衛生施設(トイレ)を利用できない人口は26億人、世界人口の42%です。
また、世界中では20秒に1人(毎年180万人)、5歳以下の幼児が安全な水や基本的な衛生施設がないために死亡しているという統計もあります。

資源・エネルギーの少ない日本。しかし周囲を海に囲まれ、多くの川や湖を有する日本は水くらいは豊富にあると思うかもしれません。しかし実はそうでもないのです。
日本の年間降水量は1,715mm、世界平均の年間810mmの2倍です。
しかしながら、日本の1人当たりの年間水資源量は、世界平均の年間8,559トンに対し、3,337トンなのです。
これは山岳地帯が多い日本の地形によるもので、降った雨が滝のごとく海に流れていってしまうことに起因しています。豊富な降水量である一方、その保水量は世界平均以下しかないのが現状なのです。

蛇口から当たり前のように出てくる水。あらゆる生命の源になる水。水は飲み水のみならず、作物を育てたり、家畜を育てたり、その家畜の飼料を育てるためにも必要です。
「いつでも安全な水が豊富に手に入る」という日本人のイメージは、その限りではないのです。

日本の食卓は、世界の水に依存しています。これを考えるには、「バーチャルウォーター」(仮想水)という考え方を利用します。
たとえば、実際に飲料水として輸入する水以外にも、輸入している作物を育てるには相応の水が必要ですし、肉類に関しても、それらを育てる飼料を作るためには相応の水が必要になってきます。
そうした水の量を全て計算し、どれだけの水が輸入されているのかを計算したのがこのバーチャルウォーターです。
参照:http://hydro.iis.u-tokyo.ac.jp/Info/Press200207/

この考え方によると、1キロの小麦を作るには2,000リットルの水が必要です。
1キロの牛肉を作るには20,600リットル分の水が必要。
これらを積算していくと、日本の仮想水総輸入量は年間640億トンになり、これだけの量を海外に依存していることになります。
たとえば牛肉の輸入に限ってみても、年間海外から140億トンの水を輸入していることになります。これは日本の年間生活用水使用量の160億トンとほぼ同量なのです。

最近、原油価格の高騰で我々の生活に影響が出ているニュースを目にします。
これは私達の生活が多大に世界の石油に依存していることから起こっているわけです。
上記の通り、日本の水資源、食料は多大に海外に依存しており、海外の水不足の問題が日本の食卓に影響することも考えられます。

私たち人間は、水なくしては生きていかれません。
改めて、毎日安全な水を手に入れられることのありがたさを認識すると同時に、今後は資源としての水の大切さについても考えていきたいものです。