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缶詰みかんに隠された秘密とは?

薄皮をむくために使う薬品

今日は、缶詰のみかんについてです。缶詰に入っているみかん。
色も大変鮮やかで、爽やかな甘味がして、綺麗に薄皮がむかれていて、見ていて大変さわやかな感じを受けます。
缶詰に入っているみかんは色々なところで使われています。フルーツサラダ、ポテトサラダ、フルーツパフェなど。

しかし、缶詰のみかんの加工製造の過程で、塩酸が使われているということはご存知でしたか?あの劇薬の塩酸です。
しかし何故か缶詰のみかんの原材料のところには塩酸の表示がありません。実はカラクリがあるのです。

今日もちょっと長くなってしまいます、ごめんなさい。
最後まで読んで頂けると、とても嬉しいです。

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■缶詰みかんの作り方の秘密、食品加工の強い味方『塩酸』

【缶詰用フルーツには塩酸が必須】

フルーツのみかんの缶詰は、私たちにとてもお馴染みです。おやつなど出されたときは、すぐにお腹にはいちゃったものでした。
みかんの房の皮は綺麗にむかれ、シロップ漬けで口当たりもよく、程よい酸味と甘味に食欲がそそられ、そのまま食べたり、サラダやちょっとしたトッピングなど、様々な料理で活躍します。値段も手頃です。

でも、そんな缶詰のみかんを見て、不思議に思ったことはありませんか。
みかんの皮を綺麗にむいて、房まできれいにして食べるのは結構手間がかかります。
余程器用でないと、あんなにきれいな粒にはできないでしょう。
一体どのようにしているのでしょうか?

実は、塩酸という薬品を使って効率よく皮を溶かしているのです。
塩酸といえば、学生時代に化学の実験で使った劇薬であり、トイレのクリーナーに入っていたりして、何だか怖いイメージがあります。
実際、かなりの毒性があるのですが、加工したあとに塩酸が残留していなければ、身体に害はないので、みかんの皮むき以外にも食品業界では広く使われている方法なのです。

というのは、強酸でありながら揮発する特徴があり、目的の仕事だけをさせて不要になれば、加熱して除去してしまえば済む、という利点があるからです。

【塩酸の利点は揮発性】

塩酸の中にみかんを投入すると、甘皮の成分であるセルロースが加水分解されて水溶性となり、甘皮が綺麗に溶けてしまいます。
この時に圧力をかけながら塩酸を浸透させると、粒と粒をつないでいるセルロースまで分解され、ツブツブ飲料に含まれているツブツブみかんが出来上がります。

実際の工場では、0.3%ほどの塩酸がシャワー状に降り注ぎ、その下をローラーで回転させたみかんを数時間くぐらせて丁寧に甘皮を溶かします。
その後、0.7%の水酸化ナトリウム溶液で2,3時間中和して残留している塩酸を完全に除去し、シロップで煮てから缶詰されます。
自分の胃から消化のために分泌される胃液にも塩酸が含まれてはいますが…。

●使用されている食品添加物 … 塩酸

最終食品完成前に除去するという条件で、表示免除となっています。
みかんの皮むきに塩酸が使われているとは思いませんでした。こんな表示がされていると、買う人は少なくなっちゃいますよね。
表示免除とする理由がわかるような気がします。

しかし、塩酸に水酸化ナトリウム、両方とも確か劇薬だったと思いますけど…。
唖然!!

(参考)「ニセモノ食品」作り最前線 別冊宝島