効果的な日本語学習法とは?
体験型学習の効果は万国共通
米国では、2月に入ると、多数のサマーキャンプの案内を目にします。
夏休みが約3カ月間と長いこと、両親が働いている家庭が多いことなどの理由で、
多くの子どもがサマーキャンプを利用します。
サマーキャンプには、日本人学校や日本語学校、日系の学習塾や幼稚園などが実
施する企画もあり、その多くは日本語力や日本語での学力向上を図ることを目的と
しています。
長い夏休みは、日ごろ英語環境で学習している子どもが、
日本語環境で集中的に学習するのに絶好の機会だからです。
ただし、子どもの実力に見合った学習内容を選択しないと、
効果があまり見られなかったり、逆効果になったりすることもあるので注意が必要です。
例えば、日本語の学習があまり好きではない子どもに、教室内で日本語の特訓をしても、
日本語力に向上が見られないどころか、さらに日本語嫌いになってしまうこともあります。
では、このような子どもに対しては、どうすればよいのでしょうか。
私が日本で実践している「体験型」の日本語学習法をご紹介します。
この学習法では、無理に教えないで自然に修得することを目指し、
子どもたちには幅広い年齢層の人々と接したり、さまざまな体験をする機会を与えます。
例を挙げると以下の7つになります。
1.お年寄りと一緒に料理を作る
2.山仕事や農作業のお手伝いをする
3.草木染めなどの伝統工芸を体験する
4.お兄さんと釣りを楽しんだり、お姉さんと日本の昔の遊びをする
5.同年代の子どもたちとスポーツや音楽、学校生活を通じて交流する
6.禅宗の寺院で座禅や読経、写経を体験する
7.民家にホームステイする
このような多種多様な交流や体験をします。このように、米国では決してできないことを、
日本で日本語によって体験することにより、子どもたちは「日本語をもっと覚えたい」とか、
「日本語を使いたい」という思いに駆られ、日本語を学習することの大切さを実感するのです。
「日本語で話すことが多くなった」「日本語の本を読むようになった」「日本語学習を
積極的に行うようになった」など、サマーキャンプの終了後、保護者から多数の喜び
の声が届いています。
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