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子どもを伸ばす先生の見分け方

「先生の言っていることがわからない」と子どもが言い出したら…

子どもは、塾と学校の先生をある程度、区別しているようです。「塾の先生は勉強を教える先生だ」との認識を持っています。
しかし、先生の人間性にも敏感に反応し、信頼できる大人かどうかを瞬時に判断します。

それ以外に、教え方がわかりやすいか、間違ったことを教えていないかということも考え、信頼できる先生かどうかを判断しています。
信頼できない先生の授業は、全く頭に残りません。最悪の場合、学級崩壊のような現象が塾でも見られます。

「授業を聞いてもわからない」
「先生が言っていることが正しいかどうか信用できない」
勉強しに来ているのに、先生の言うことに疑いを持つなら、自信を持って科目の学習を習得することは不可能です。

それが理数系なら、なおさら、その科目が嫌いになります。逆に、信頼できる先生がおもしろく教えれば、苦手科目であっても少なくとも興味は持ちます。
そんな経験、あなたにもありませんか。
わからなかったけど、好きだった教科。
全然わからなくて、嫌いだった教科。

好きだった先生や、嫌いだった先生を思い出しませんか。
どんな先生が教えるかというのは、大事なポイントなのです。

私が生徒に教えるときに、注意していることが3つあります。
1.矛盾していることは言わない。
2.間違ったことを言ったときは必ず謝る。
3.知らないことは、知らないと言う。

1つ目は、人間同士の信頼関係を結ぶために必要最低限のものです。矛盾を感じさせてしまう危険性がある指導は避けています。
たとえば、宿題を忘れたときはどうするか、ルール化しています。

授業前に申告すれば、注意程度で済む。
何回も続けば、授業前でも怒られる。
授業中に申告すると、怒られる。

そして、怒る程度は人によって変えたりはしません。あの子には甘いとか、厳しいとか、差別だと感じられるとそれこそ信用はなくなります。

2つ目は、授業中に正しいことを言ったつもりでも子どもに誤解を与えてしまったり、あとで考えたら間違ったことを言っていたという場合です。
「この前先生はこう言ってたけど、こうじゃないんですか?」と生徒から指摘されたとき、言い訳をする先生は少なくありません。
「こう言ったじゃないか。授業ちゃんと聞いてた?」なんて言う先生は最悪です。

誤解を生んだなら、再び説明し、言葉足らずだったことを謝る。間違ったことを言ったなら、全員に訂正して謝る。
こうして、子どもたちが自信を持って学習できるように意識しています。

そして、3つ目の「知らないことは、知らないと言う」というのは一見、無責任のように思えますよね。実は、半分は無責任です。
現代の最先端科学で説明できるのかどうかわからないような質問や、大学などで専門的に勉強していないとわからないような質問なら、「最近はわかっていることなのかもしれないけど、難しいことだから先生も答えることができない」などと言います。
あとから調べて説明できることは、次の授業で説明します。

他にも、たとえば小学生がよく知っている昆虫。
授業中に「こんな虫いるんだよー。先生、知ってる?」と私の知らない虫などについて聞かれた場合は、一通り、その生徒から説明をしてもらいます。
あとから、生徒が言っていることが正しいかを調べます。生徒全員が聞いているわけですから、もし間違っていたら困ります。
もう一度、他の生徒にも向けて説明することで、正しい新たな知識を確実に増やすことができるのです。

もう1つ、学習に有効なことは、それらを生徒に調べさせることです。

「他にもこんな虫っているのかな?今度までみんなで調べて来よう」
と全員に言うことで、調べ学習を自然とさせることもできます。
もちろん、次の授業ではそれらを発表させたり、私自身もいろいろ調べて生徒に伝えます。

これら3つのことができている先生は、なかなかいないのが現状です。
もし子どもが、「あの先生は授業で何を言っているのかわからない」と言ったときは要注意です。
つじつまが合わないことをしている、または言っているから、先生が何を考えて行動・発言しているのかわからないのです。

子どもを伸ばすためには、よい塾の先生からよい教育を受け、自信を持って勉強をさせていくことです。
一度、塾の先生について子どもに聞いてみてください。

ちなみに上記の3つの方法は、ご家庭でも、子どもの学習や指導に利用できることだと思います。
学習について、そして人間として、子どもを伸ばしていくヒントです。