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楽しく伸ばそう!考える力

親子で「おもしろ問答」遊び

今回は、一定のパターンを使った手軽な論理問答をご紹介します。対話・会話で行えばよいのですが、当然、作文に書いて表現してもかまいません。ではさっそく、例題1から。

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【例題1】
問……(カラスを指さしながら)
   「あの鳥はハトである。反対意見をどうぞ」

答……「あの鳥は、ハトではありません。
    もしハトなら、体全体が真っ黒ではないはずです。
    しかし、あの鳥は、体全体が真っ黒です。
    だから、ハトではないのです。」
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いかがですか。簡単ですね。
「問」を出す方は、意図的に、事実とは違う意見を言います。
「答」を言う方は、その意見が間違っていることを証明します。
問答のパターンはこうです。

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問……「Aは、Bである。(反対意見をどうぞ)」

答……「Aは、Bではない。
    もしBなら、Cではない(Cである)はずだ。
    しかし、Aは、Cである(Cではない)。
    だから、Bではない。」
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一見複雑ですが、慣れてしまえば簡単です。パターン自体は、「仮定」を用いた高度な思考法ですが、この程度の遊びなら3年生前後の子でもできます。では次へ進みます。

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【例題2】
問……(ふつうのメガネを見せながら)
   「これはサングラスである。反対意見をどうぞ」

答……「これは、サングラスではありません。
    もしサングラスなら、こんなにレンズが透明ではないはずです。
    しかし、これは、レンズが透明です。
    だから、サングラスではないのです。」
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この問答、実は、ひとつの規則性があることにお気づきでしょうか。答える方は、あくまでも「Bではない」ことを証明するだけなのです。「Aである」ことまでは、証明しません。

例題1では、「ハトではない」ことを証明するだけです。「カラスである」ことまでは、証明しません。(問答の中に「カラス」という言葉は一切出てきていませんね)
例題2でも、「サングラスではない」ことを証明するだけです。「メガネである」ことまでは、証明しません。(問答の中に「メガネ」という言葉は一切出てきていませんね)

では、最後に例題3を。

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【例題3】問……(消しゴムを見せながら)
   「これは豆腐である。反対意見をどうぞ」

答……「これは、豆腐ではありません。
    もし豆腐なら、指で押した時に崩れるくらい、柔らかいはずです。
    しかし、これは硬くて、指で押しても崩れることがありません。
    だから、豆腐ではないのです。」
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例題3のような、突拍子もない比較を問題にすると、子どもはとても面白がります。消しゴムと豆腐なんて、なかなか思いつきませんからね。子どもというのは、このように無意味に思えるような質問を大歓迎してくれます。
大人から見るとナンセンスに思えても、子どもにはセンスのあることとして感じられるのです。
さあ、皆さんもいろいろな問答を試してみてはいかがでしょうか。論理的思考の訓練として、かなり有効な遊びとなることでしょう。