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読み聞かせで豊かな“想像力”を

子どもの頭の中で、何が起きている?

本を読んであげる「話の読み聞かせ」は、とても大切です。
ビデオなどで見るアニメの作品は、映像と語りだけではなく、臨場感を盛り上げる音楽や効果音まで駆使し、瞬く間に物語の世界へ誘い込まれ楽しいものです。
これほど便利なものはありませんが、反面、幼児が疑問を抱いても教えてくれない不便な点もあります。幼児には、お母さんの生の声が何よりです。
5歳頃になると、絵が主役であった絵本から、字の多い絵本に変わり、話も筋道立てて進む物語になっていると思います。

ここで、本を読んであげることを少し考えてみましょう。読んでもらっているときの子どもの頭の中は、どうなっているのでしょうか。お母さんの読んでくれる言葉を絵に置き換える、映像化するといった作業がフルスピードで進んでいるのではないかと思います。
絵本や図鑑、テレビで見た映像や、実際に見たことのある光景が浮かんでいるのでしょう。ところが、聞いたことがない言葉が出てくるとストップがかかります。
「お母さん、オニタイジって、どういうこと?」
こうなるとお母さんは、お子さんの知りたい言葉を置き換えて説明します。そこでお子さんは意味を確かめ、納得し、新しい言葉を覚えて「語彙」が増えます。

そして1人になると、まだ字が読めないはずなのに、何やらぶつぶつと言いながら絵本を見ています。あれは、本当に不思議です。おそらく、読んでもらった本が面白かったから、お母さんの言葉を思い出しながら確かめているのだと思います。絵を見ながら記憶した言葉をもとに映像を描き、イメージ化しているのです。考え、想像しているのです。しかも「言葉」でです。これは、すごいと思いませんか。

その証拠に子どもは、とかく同じ本を何回も繰り返し、飽きもせずに読んでくれとせがみます。そして読んでいる途中に、
「お母さん、ありがとう。そこまででいいです」
といったことが、しばしば起こりがちです。読んでもらってつながったから、そこまででいいのでしょう、あとは覚えていますから。
あれは、話を一生懸命に覚えようとしているのに違いありません。そうすると「記憶力」がつきます。

さらに繰り返し読んでもらうことで、
描かれた映像はより鮮明になり、そこから「空想力」「想像力」が培われるのではないでしょうか。