自分を知って、無理のない子育て
これからの教育とは?
以前の教育の目的は、「国力を発展させる」ための人材育成でした。
ところが、20年前あたりから少しずつ、「自己洞察」「自分を生かすための周囲との関わり」という流れにシフトしているようです。
今は、そのための準備期間のような気がします。
・自分は何のために生きていくのか
・自分は何者なのか、何が自分の幸せなのか
・自分が自分らしく世の中にできることは何なのか
・どうしたら、世界が一つに、平和になるのか
・新しい世の中はもっと平等にしたい
こうしたことをわたしたち、特に、お子様をもつお母さん方が、考え始めています。
ゆっくりペースですが、確実に進んでいます。
しかし、「自己洞察」って何だろう、という疑問が生じます。今まで、立ち止まることのなかった課題だからです。
情報が欲しくなります。混乱が生じているところもあります。
でも、これらは、移行期にありがちな混乱です。一過性のものだとわたしは楽観視しています。
これからの教育は、みんなが自分の特性や感性などの性質に気づいて、好きな場所で、好きな方法で、楽しんで自己成長することだとわたしは思っています。
自分が何者かに気づけば、人とは決して比べません。人と共存できます。
たとえば植物は、花粉を昆虫に運んでもらっています。しかし、花粉を運ばない昆虫を排除しません。平等に接します。
また、周囲にある不要な石ころをどかしたり、土壌を変えたりもしません。
なぜなら、ある昆虫だけを排除し、自分だけが得する環境に改良していくことは、生態系全体のバランスを崩し、やがて自身の生存に影響を与えるからです。
子どもたちが、自分を知る。
そのために一番大切なことを、わたしはこう考えます。
親子が幸せであること。
もう少し具体的に言うと、保護者が自分のことを好きでいること、だと思っています。
ところで皆様は、自分が好きですか?
わたしは、かつて嫌いでした。
すると、ありがたいことに自分の子どもが、わたしが「嫌いだ」と感じている気質を見事なまでに再生してくれるのです。
まるで、自分の小さいころのビデオをむりやり視聴させられたような感じでした。
しかし、いくら自分が嫌いでも親という役割だけはやめることができません。本当に大変です。
少しずつ、子どもと一緒に暮らしながら、自分のことを好きになっていくしかないのです。
腹をくくりました。わたしも少しずつ、自分を好きになることにしました。今もその途中です。
わたしにとって効果的だったことをお伝えします。
子どもに何かさせるとき、子どもと何かするとき、こういう基準を設けたのでした。
「自分もそれをやりたいのか」
「たとえやらなくても、その世界を子どもと一緒に楽しめるのか」
これに当てはまる以外のことは一切しない。
そう決めたら楽になりました。結局、それは、自分肯定でした。
たとえば、自分が大学に行かれなかったから子どもに行かせたい、というのはあだ討ちです。
それならば、今からご自身が行くべきです。
あるいは、大学に行かなくても学び続けたご自身をほめてあげて欲しいです。
親子関係は、相互に向き合えば向き合うほど、自分を洞察します。
だからこそ大変ですし、だからこそ素晴らしいのかもしれません。
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