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触れて育む、母娘の愛情

子どもとの特別な時間を大切に

もう何年も前のことになりますが、娘のペコがお世話になった保育園の先生にこんな話を教えてもらいました。
「子どもはみんな“自分だけの特別な時間”が好きだから、たとえば女の子だったら髪をといたり、くくったりしてあげる時間を、意識して大切にするといいわよ」
「男の子の兄弟がいる場合は、特にそれが女の子だけの特権だから、気持ちが満たされるみたい。逆に姉妹の場合はどうしてもお母さんの取り合いになりがちだけど、それでも髪を結ってもらってる間だけはお母さんを独り占めできるから、やっぱり貴重な時間みたいよ」
って。

確かにペコも髪を触ってもらうのは大好き!
お母さんが鏡ごしにじっと見つめて、やさしく触れてくれて、2人だけでおしゃべりできて、しかも可愛くなれる…。
このひとときには、女の子の好きなものがいっぱいつまっているんですね。

だから先生は、
「そんな時間をできるだけ大切にしてあげてね。小学生になっても中学になっても、娘さんが望むようならいくつになってもしてあげて。きっとお母さんとの素敵な想い出になると思うから」
そう言葉を続けたのでした。

白状すると、ペコは2〜3歳の頃からよく「髪といて」「くくって」「三つ編みにして」と注文の多い女の子で、時間に余裕があるときならまだしも、忙しい朝などはついつい邪険にしていました(笑)。
急いで髪をくくっていても、ペコが「痛い!」「もう少し上にくくり直して」「ここ髪が飛び出てる〜!」なんてダメ出しがでるので、「あんたがジッとしてないからでしょ!」「もう、自分でやり」なんて口げんかになることも…。

でも、先生の言葉を聞いてちょっと反省。せっかくのふたりの時間を、もう少し大切にしようと思ったのでした。

いま小学5年生になっても、朝はたいてい「お母さん、髪くくって〜」と言ってくるペコ。
ま、めんどくさいっちゃめんどくさいですが(笑)、これも彼女なりの愛情のリクエストであり、私の受け止め方のひとつだと思い直し、なるべく鏡に向かうことにしています。

…と、ここまで書いて思い出したことがあります。もうウン十年も昔の、私が小学生だった頃の記憶です。
その頃私はずっと長い髪をしていました。でも、長いまま下ろして学校に行ったことはなく、いつもポニーテールや三つ編みにしていたように思います。

なかでも覚えているのは、ポニーテールにした上に、その束をふたつに分けて三つ編みを2本作っていたスタイルです。いったいあれはなんて言うんでしょうね?
なぜそんなスタイルにしてと言ったのか、たしかテレビで見た外国の体操選手がしていた髪型だったような気がするのですが、小学生の私にはそのいっぷう変わった髪型がちょっと自慢だったのでしょう。
頭を振って2本の三つ編みが揺れる感触を確かめていたのを、いまでもはっきりと覚えています。

私の母は、よくまあ、そんなリクエストに応えてくれたものです。しかも私には、母が嫌がったり、めんどくさがったりした記憶が一切ありません…。
そのことに気づいただけでも、子どもだった私が、どれだけ母に愛されていたかがわかるような気がするのです。

たとえその時には何も意識せず、何十年もほとんど忘れていた想い出であっても、そうして触れ合った温もりはきっと心のどこかに刻まれていたのでしょうね。
女の子ならではの幸せな時間、どうぞ大切にしてあげてください。