「間違えること」は悪いこと?
間違いを指摘されることを嫌がる子どもたち
私の学習塾では基本的には自学自習で、1ページまたは2ページテキストをやり終えたら、私のところへ持ってきます。
私は答合わせをし、間違っているところを指摘して直し、漢字なら練習を、算数なら類似問題をやってもらいます。
ペケや∨のようなチェックマークをいやがる子が増えてきたので、間違ったところには○ではなく「ここ違うよ」とわかるように印をします。
それでも最近は間違えを指摘しようとすると、
「あっ、何にも書かないで!直してくるから!」
とあわてて私の手元からテキストを取っていこうとする子がいます。
でもね、間違えを指摘されることもとても大事だし、間違っても次の機会にできるようになれば、その間違えも大事な「勉強」だと思うので、私は「どこを」「なにを」「どんなふうに」間違えたか、わかるようにしておきたいのです。
お家でテキストを見直したときに、「ここは計算ミスだったな」とか「引き算でなくちゃいけなかったのに、足しちゃったんだな」とかがわかれば、次に類似問題を解くときに注意するでしょうし、ミスも減ると思うのです。
でもね、嫌がるんですよ、「間違えを指摘されること」を。
いや、「間違えること」そのものを嫌がるのかもしれません。
漢字などは、空欄の部分には消しては書き、一生懸命思い出そうとしている形跡が見られます。でも、自信がないときは空欄のままで持ってくるのです。
消した跡をよ〜く見ると「書けてるじゃん!」ということが多々あります。
そして、わからない漢字に出くわすと「どういう字だったっけ?」「左側ってイ(にんべん)だったっけ?言う(ごんべん)だったっけ?」と私からヒントを引き出してでも、空欄を埋めようとする子もあります。
私は塾の子どもたちに、
「間違ってもいいんだよ。間違ったら直せばいいし、直したところを覚えて、次に出来るようになればいい。それから、自信のないところも、まずは自分でやってみよう。それで間違っても、先生は叱らないよ。1問ごとに先生に『合ってる?』って聞くよりも、自分の力でまずはやってみよう。間違って、何度もやり直して、覚えていくんだからね」
と常に話してはいるのですが、子どもたちはどうしても間違えること、それを指摘されるのを嫌がります。
ある子はこんなことを言ってました。
「お母さんが塾のノートを見て、ペケがあると『何でこんなのを間違っちゃうの?もっとちゃんと勉強してらっしゃい』って言うんだ。塾のノートにペケがあると家で怒られるから、ノートにはペケを付けないで」と。
お母様方にお願いがあります。お子さんが間違っても、あまり厳しい口調で間違えを指摘したり、責めたりしないで下さい。
間違えることで理解度がわかりますし、間違えを直して『出来るようになる』ことを積み重ねることで、学習内容は定着します。
「間違えることは悪いことじゃないんだよ」ということを、お家でもお子さんに伝えてあげてほしいなと思います。
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