夢を、単なる理想で終わらせないためのヒント
目的地に着きたいのなら…
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どんな良いことを教わっても、
実際に歩き出さなきゃ、目的の場所に着きっこない
(中村天風)
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「本当の心の力」【中村天風、PHP文庫、P236】
天風先生は、「実行にうつせ」という言葉のなかには、深長な意味が豊富に含まれているということに気づかなきゃ駄目だよ、と説かれています。
《実際に歩き出す》
「実行ということがおろそかにされると、どんないい方法を聞いても、その理解がリアライズ(現実化)されず、リアライズされないと、結局、空中に楼閣(ろうかく)を描いた結果になってしまいます。
たとえば、知らない土地に行った。目的の場所がわからない。その土地から目的の場所に行く道筋を聞いた。その道筋をどんなに詳しく説明され、わかったとしても、教わったとおりに実際に歩き出さなきゃ目的の場所に着きっこないでしょう?
ところが、このわかりきったことが、頭じゃわかっていても、いつかときが経つとピンボケになってしまう。理屈だけはわかっているが、実行のほうがおろそかになってしまっている人が多い。実行というものが、いつしか自分のなかから影を薄くしてしまっているんです。
その証拠に、青年時代には、相当に、自分の人生に対する将来図を理想としてもっていたとしても、青年から中年になって、青年時代に描いていたあの華やかな夢を、本当に現実化している人というのは、極めて少ないんですよ。
ですから「実行にうつせ」という言葉のなかには、深長な意味が豊富に含まれているということに気づかなきゃ駄目だよ。
ここにプロスキーヤーの三浦雄一郎さんが、75歳にしてエベレストを登頂したときの記事があります。まずはお読みいただきたいと思います。
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「つらく、厳しく、うれしい」――プロスキーヤー三浦雄一郎さん
【「75歳、エベレスト登頂」08.05.26日経新聞(夕刊)】
プロスキーヤーの三浦雄一郎さん(75)が26日エベレスト(中国名・チョモランマ、8,848メートル)の登頂に成功した。前日の25日に76歳のネパール人男性が登頂に成功したため、狙った世界最高齢登頂はならなかった。東京都内の事務所に現地から連絡が入った。
三浦さんは登頂直後、ベースキャンプとの無線連絡で「涙が出るほどつらくて、厳しくて、うれしい。70歳を過ぎて2回も世界の頂上に上がれ最高でした。今日は最高の天気。ヒマラヤの山が全部祝福してくれている。本当にありがとう」と喜びを語った。
三浦さんは2003年、当時最高齢の70歳でエベレストに登頂したが、日本人男性2人が記録を更新。ネパール人男性の登頂までは、昨年登頂した長野県の元中学教諭柳沢勝輔さんの71歳が最高齢記録だった。
三浦さんに同行したカメラマン、村口徳行さん(51)は5回目の登頂となり、日本人の最高登頂記録を更新した。
ベースキャンプからの連絡によると、三浦さんは26日午前零時15分(日本時間同日午前3時半)ごろ、標高8,400メートル付近の第5キャンプを出発し、午前7時33分(同10時48分)、頂上に到達した。
三浦さんは05年に今回の登頂を計画。06年と07年に持病の不整脈の手術を2回受けながら、ヒマヤラの高峰に遠征するなどトレーニングを続けてきた。
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人生というものは、涙が出るほどつらくて、厳しくて、うれしい、そういう体験を求める旅なのではないでしょうか。どうでしょうか?
あなたの今日が、つらくて、厳しくて、うれしい今日になることを願っています。
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