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若者の職業観に、ゆとり教育は影響しているか

これからの社会に求められる人物像とは?

近年、ゆとり教育を受けてきた世代と他の世代とを比較して、学力の低下や意識の変化などについての話題が、マスメディアなどで取り上げられ、目にすることがあります。
その中では、ゆとり教育を受けてきた世代のネガティブ面が強調されているように感じます。

しかし、どの世代であっても、他の世代と比べてみると、劣っている部分はあると思います。
たとえば、団塊世代とゆとり教育を受けてきた世代を比較すると、パソコンをはじめとした情報機器の活用力については、圧倒的に後者のほうが強いです。
反対に、逆境に負けない気持ちの強さは、団塊世代の方が強いと思います。

この世代間の違いは、その当時の社会環境であったり、経済状況などによって、強い面や弱い面が出てくるのではないでしょうか。

先日、日経MJ(日経流通新聞)の正月特別編集号を読んでいると、「ゆとり教育世代」に関するデータや消費傾向などが載っていました。
その記事の中で、団塊ジュニア世代とゆとり教育世代を比較してのデータなどがありました。

「仕事のやりがいより『安定感』を優先する?」という質問に対して、「あてはまる」「ややあてはまる」と答えたゆとり教育世代は、50%を超えているというデータがあります。
また、「将来、どんな働き方を望んでいますか」という質問に対する答えとして、「民間企業:42%」「公務員:15%」「弁護士や医師など専門職:13%」という割合。
団塊ジュニア世代が答えた「20歳の頃、どんな働き方を望んでいましたか」というデータと比較すると、民間企業の割合が減り、公務員や弁護士などの専門職の割合が増加しています。
このデータを見ると、ゆとり教育世代に「安定志向」が強まっているのかもしれませんね。

ゆとり教育を受けたか受けないかに限らず、その時々の社会・経済動向や景気動向などによって、安定志向の傾向にも変化があると思います。
90年代のバブル経済崩壊の時期であったり、昨今の経済状況などの時期には安定志向が強まります。
起業家などがマスメディアなどで取り上げられる頻度が高くなったりすると、起業や独立を目指す人たちが増える傾向にあると思います。
このように、社会環境や経済環境の変化によって影響を受けているように感じます。

最近の社会・経済状況を見ると、企業や職業、資格に「安定感」を望むことができるのか、疑問に感じることがあります。
日本の冠たる大手企業であっても、世界経済の動向によって、あっという間に苦境に追い込まれる状況。
難易度が高い資格であっても取得しただけでは、その事業を継続していくのが難しい状況。
様々な状況を考えると、企業や職業、資格自体に安定志向を求めるのは難しくなりつつあるように思います。

「いい学校、いい会社」という既成概念が崩れてきたと言われて久しくなりましたが、これからは、ますます、企業や資格そのものに依存することができなくなってきます。
つまり、「自分で考え、自分で判断・決断し、自分で行動できる自立型の人財」になることが重要になってきます。

たとえば、資格であれば、資格をとったことに安心するのではなく、その資格を活用してどのようにしていくかといったように自分で考え、行動していくことが必要となってきます。
私自身も、自分で考え、行動できるようになっていきたいと思います。


<参考文献>
日経MJ(日経流通新聞)1月1日正月特別編集