第2回 子供を伸ばすコツは、ただ1つ
子供を伸ばすコツは、ずばり、好きなことや得意なことを伸ばしてやることです。これに尽きます。
こういうと、多くの親たちは、まずこう言います。「それほど、好きなことや得意なこともないみたいだけど」。
私は、家庭訪問のとき、その子の好きなことや得意なことを親に聞くことがあります。 でも、半分くらいの親は答えられません。しばらく考えてから、「特にないみたいだけど…」という答えが返ってくることが多いのです。
でも、本当は、そんなことはないのです。それは、親が見つけられないだけなのです。その気になって子供をよく見ていれば、必ず見つかります。
では、なぜ、親はなかなか見つけられないのでしょう?それは、親が子供の好きなことや得意なことの中に価値を見出せないからです。
例えば、我が子が動物のウンコを集めるのが好きで得意だったとしたら、どうでしょう?我が子が好きで得意なことは動物のウンコを集めることだ、と言える親がいるでしょうか?なかなかいないと思います。そんなことに価値があるとはとても思えないからです。
でも、中には、そんなことに価値を見出せるすごい親もいるのです。これは、以前、私を取材に来てくれたS新聞のO記者に聞いた話です。
動物のウンコを集めるのが好きで得意な男の子が、実際にいたそうです。そして、その親は、それを伸ばしてやろうと顕微鏡を買ってやりました。そして、ウンコの観察の仕方を教えてやりました。
その男の子は、毎日動物のウンコを拾ってきては、顕微鏡で覗いたそうです。そして、後年、その男の子は有名な細菌学者になったそうです。
何ともいい話ではありませんか。それを話すO記者はとてもうれしそうでしたし、聞いている私もとてもいい気持ちになりました。
この男の子の親は、我が子のウンコ集めに何かしらの価値を見出したのです。もし、普通の親だったらどうでしょうか?この子は叱られてウンコ集めなどやめていたかも知れません。みなさんだったら、この子に顕微鏡を買ってやれますか?
ウンコ集めの好きな子に顕微鏡を買ってやる。ここに親力の神髄があるのです。みなさんも我が子を改めてよくよく見てください。その子の好きなことや得意なことを見つけ出してやってください。ほんの少し好きとか、ほんの少し得意というだけでもいいのです。こんなくだらないことと思えることでもいいのです。
そして、それがさらに好きで得意になるように手助けしてやってください。子供を伸ばすコツは、好きなことや得意なことを伸ばしてやることです。これに尽きます。そのために、大いに親力を発揮してください。
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