第42回 一番簡単で効果的なテスト勉強は音読
子どもは、誰でも学校のテストでいい点を取りたいと思っています。でも、実際にテストを意識してテストのための勉強をする小学生は極めて少数派です。
ほとんどの場合、何の準備もないままテストを受けます。そして、返ってきたテストを見て「できた」「できない」と一喜一憂することの繰り返しです。
誰でも、いい点を取ればうれしいし、ひどい点を取れば悔しいのです。でも、それが次のテスト勉強につながらないのが一般的な小学生というものです。
それに、小学校では中学校のように中間テストや期末テストというものがありません。ですから、親もついうっかりしています。
でも、本当は学校のテストでいい点を取ることは、とても大事なことなのです。それは、勉強の内容を定着させて、着実に学力をつけていくことでもあるからです。しかも、テストでいい点を取ることで、自分に自信が持てるようになります。これは子どもにとって、とても大きなことです。
とはいっても、相手は遊びたい盛りの小学生です。宿題をやるのも、やっとという場合がほとんどですから、それ以外にテストのための勉強をさせるのは至難の業です。その難しさについては、私もよく知っています。
でも、そういう子どもにも可能なテスト勉強というものが実はあるのです。「多くは望まないけど、もう少しなんとかしたい」という親にお薦めな方法です。
私がイチオシする一番簡単で効果的な方法は、教科書を声に出して読む音読です。これは、みなさんが思っている以上に大きな効果があります。
よく国語の教科書の音読は宿題に出されますが、社会、算数、理科などの音読はほとんど出されることがありません。でも、国語だけでなく社会、算数、理科の教科書の音読も、とてもいいテスト勉強になるのです。
そもそも、学校のテストは全て教科書をもとにつくられています。テストとは、教科書に出ていることが「わかっているか」「覚えているか」を調べるものなのです。つまり、教科書とはあらかじめテストの答えが書いてある虎の巻なのです。
ですから、教科書を征服すればテストは全部できるのです。そして、征服とは教科書が「わかる」と「覚える」の2つができればいいのです。
もちろん、宿題をやるのもやっとという一般的な小学生を、教科書の征服までもっていくのは難しいことです。でも、それに近づけば近づくほどいい結果が得られるのは間違いないことです。
そして、そのために一番簡単で効果的なのが音読なのです。音読は「わかる」と「覚える」の両方に威力を発揮するからです。
「読書百遍意自ずから通ず」ということわざの通りで、同じものを何度も読んでいるとだんだんわかってくることが多いのです。もちろん音読だけではわからないこともありますが、わかってくる部分も多いのです。
そして、音読は覚えるための最適な方法でもあります。特に、子どもの脳は吸収力に優れているので、音読による丸暗記は得意中の得意です。
このように、音読することで教科書を「わかる」ことと「覚える」ことができるのです。
私の実感では、特に社会の勉強で音読は絶大な効果があります。「社会は暗記科目」とよくいわれますが、実際そういう面はあるのです。次が国語と理科です。算数については、上記3つの科目ほどではありません。でも、用語、公式、ポイント解説の部分などを音読しておけば、テストの点は間違いなく上がります。
ここまで、テスト対策としての音読のよさを書いてきました。でも、それ以前に大事なことがあります。それは、音読をしていれば日々の授業そのものがわかりやすくなるということです。これも強調しておかなければなりません。
教科書はテストのもとになっているだけでなく、日々の授業のもとでもあります。ですから、当然、教科書を音読していれば日々の授業がわかるようになるのです。当たり前と言えば当たり前ですが、意外と忘れられています。
このようなわけで、私は国語だけでなく、社会、算数、理科などの教科書を家で音読することをお薦めします。欲を言えば、漢字ドリルや社会の資料集も入れたいところです。
たとえば、毎日の宿題で国語の教科書の音読が出ている場合、だんだん飽きてしまうと思います。そうしたら、「今日は社会を読んでみよう」と言ってみるのもいいでしょう。
または、国語の教科書は半分でいいにして、その分、他の教科書を読むというのもいいでしょう。もちろん、1〜2ページでもいいのです。欲張ると失敗しますから。
または、私がここまで書いてきた音読の効果を、子どもに話してあげるのもいいと思います。音読の効果を納得させることができれば、「勉強ができるようになりたい。100点を取りたい」という気持ちに、うまく結びつけることができれば、1日1ページの音読を習慣化していくことができるかも知れません。
納得度とやる気は比例しますので、これは大切なことです。同時に、ほめ続けることも忘れないでください。
本当に1日1ページでもいいのです。これなら1〜2分でできます。
なお、音読や漢字が苦手な子には、振り仮名をつけてあげてください。社会や理科の教科書は、漢字の熟語がたくさん出てきますので、国語の教科書の音読より難しいのです。もともと苦手な子に余分な負荷は与えない方がいいでしょう。
または、追い読みも効果的です。親が「熊本県の水俣市では…」と読んだら、子どもがそれを追って「熊本県の水俣市では…」と読むのです。
社会や理科の教科書は漢字の熟語が多い分たいへんですが、裏を返せば国語力アップにもなるわけです。
というわけで、ぜひ、音読の効果を再認識してください。まず、みなさん自身が、試しに子どもの社会や理科の教科書を1ページ音読してみるといいと思います。
また、家電製品の取り扱い説明書(いわゆる「取説」)や仕事で頭に入れておかなければならない重要事項なども音読してみてください。
実際に音読するといろいろなことが頭に入ってくる、ということが実感できると思います。
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