第44回 イメージ戦略が大事。丸つけでほめれば子どものやる気がアップする
みなさんは、子どもが勉強したものに丸つけをするときがあると思います。
そのとき大事なのは「丸つけでほめる」という気持ちで臨むことです。
それについて、私は教師だった頃の経験を思い出します。
私は、その頃、毎日10問の計算プリントを子どもたちにやらせていました。
そして、ある日、思い立って9問正解だった子には地味な丸つけをしてみました。
つまり、赤いボールペンで小さな丸を9こつけたのです。
そして、間違えていた1このところには、大きなバッテンをつけました。
そして、名前の横に90点と小さく書きました。
逆に、8問正解だった子には派手な丸つけをしてみました。
華やかで明るい色の、しかも太めの水性ペンで正解のところには1つずつ花丸をつけました。
つまり、8この花丸です。
そして、間違えていたところには、小さなレ点を「ごめんね」という感じで控えめにつけました。
そして、名前の横に80点と大きく派手に書いてあげました。
おめでとう、という感じです。
それで、子どもたちにテストを手渡しで返す時一人一人の顔をよく見ていました。
すると、90点をもらった子はあまりうれしそうな顔をしないのです。
「何だ、90点か。残念」みたいな感じです。
逆に、80点の子はうれしそうな顔をするのです。
「やった、80点だ」という感じで喜んでいるのです。
冷静に考えれば90点の方がいいに決まっているのですが、やはり人間の気持ちはイメージというか印象に左右されるのです。
企業のコマーシャルでもイメージが最優先されて、理屈は二の次になっています。
イメージ戦略こそが企業の浮沈を左右するのです。
こういわけで、子どもが勉強したものに丸つけをするとき、丸つけの結果もたらされるイメージを考えてつけるといいと思います。
「やったあ、たくさん丸がついた、けっこうできてるな、ぼくってなかなかやるな、丸がいっぱいでうれしいな、勉強って楽しいな」というように感じられる丸つけをし
て欲しいと思います。
つまり、「丸つけでほめる」という気持ちで臨むことです。
そのためには筆記具も大事で、華やかで明るい色の、しかも太めの赤鉛筆か水性ペンがいいようです。
赤いボールペンだと寂しい感じになります。
そして、できたら1つずつ花丸をつけてあげてください。
華やかな花丸が目立つようになっていれば、それだけでうれしく楽しい気持ちになるものです。
それが次のやる気につながるのです。
子どもにはこういうことが大きいのです。
一重丸では寂しいですね。
一重丸でも丸は丸なんだから…、というのは大人の感覚です。
けちけちしないで1つずつ花丸をつけてあげてください。
間違えたところは小さなレ点で十分です。
大きなバツをつける必要はありません。
直させたいところは、たっぷりほめた後で直させてください。
そうすれば、子どもも素直に直すものです。
さらにいいのは、ちょっとした手書きのコメントをつけてあげることです。
「算数の天才♪」
「これ難しいのに、よくできたね」
「九九の天才だ〜!」
「2桁で割るわり算マスターしたね。おめでとう」
「最大公約数で一発で約分!すごい」
「繰り上がりがしっかり書けたね」
イラストでお母さんのキャラクターを画いて、吹き出しをつけるのも楽しいですね。
こういういちょっとしたことで、子どもの勉強への意欲は違ってきます。
親子の人間関係もよくなります。
ところで、ここまで書いてきたことは大人相手でも使えます。
みなさんの中で、職場において部下の企画書などに赤ペンを入れることがある人は、同じ発想で臨むといいと思います。
全体はひどくても、ほめられる部分を見つけ出して、花丸やコメントなどでたくさんほめてあげてください。
そうすれば、その人のやる気が違ってきます。
人間関係も絶対よくなります。
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