親力集中講義

第9回 自分の子供がかわいく思えない方々へ

「いまひとつ子供をかわいく思えない・・・」
「なんとなく子供と馬が合わない・・・」
「兄弟のうち1人はかわいいのに、なぜか、もう1人はそれほどかわいく思えない・・・」

このように感じている方はいませんか?「そう、そう、それは私だ」とか「実は、私もそうだ」と、 うなずいている方もけっこう多いのではないでしょうか? 私も、親御さんからこのような相談を何度か受けたことがあります。

私は、このようなことは、それほど珍しいことではないと思います。 なぜなら、親子といえども、お互いに個性を持った人間同士だからです。 ですから、こういう場合、あまり自分を責めすぎないようにしてほしいと思います。

あまりに自分を責めると、その反動が今度は相手の子供の方に向いていきます。 つまり、自分の感情を正当化するために、無意識のうちに子供の方にいろいろな非を見つけ始めるのです。

ですから、まず、自分の素直な感情をそのまま受け入れることが大切だと思います。 そして、その上でできることをやっていけばいいのです。

私は学級担任を23年間やってきましたが、ときには、馬が合わないように感じられる子もいました。 でも、私はそういう子には敢えて毎日話しかけるようにしてきました。目が合えばにっこりし、 しょっちゅう頭をなでてやりました。そして、優しく親切に接してきたつもりです。

馬が合わないと感じられても、こういうことはできるのです。馬が合わないと感じられても、 温かく優しく親切に接することはできるのです。大人なのですから、努めていればできるのです。 1,2学期にそのようにしていると、3学期にはだんだん本当にかわいくなってくることが多かったです。

私がそのように接していたある子が、次の年の年賀状でとてもうれしいことを書いてくれました。 なんと、「今までの先生で一番好き」と書いてくれたのです。

そのときはもう担任ではなかったので、お世辞をいう必要はないのですが、そう書いてくれたのです。 私は、本当にうれしかったです。

ですから、みなさん、どうかそういう子にも温かく優しく親切にしてやってください。

それは、自分の決意次第です。そして、決意を固めた心にはすばらしい可能性が開かれるのです。

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