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「良いお母さん」って何?

子どもが求める「お母さん」像

「どんなお母さんがいいか?」というアンケートで1位だった『子どもの求めるお母さん像』は、「おもしろいお母さん」。お母さん像に対する「おもしろい」という言葉が意外で、そして引っかかった私は、色々なことを連想しました。
そして、子ども達の選んだ「おもしろいお母さん」という言葉を、「自分がおもしろいと思えることを、一緒に共有してくれるお母さん」という言葉に置き換えた時に、とてもスッキリしました。サービス精神ではなく、子どもがしたい遊びの中で、親も楽しめそうなものを一緒に遊んであげるという、気楽なスタンスでいいのだと思います。

私達は、家族からも社会からも「良いお母さん」であることを求められているような錯覚におそわれることがあります。地域で、教育の現場で、親族の中でと、色々なコミュニティの中での「良いお母さん」とは、「立派な母」「良妻賢母」という言葉に近いものを感じてしまいます。
しかし、私は、ことに子育て中は、「良妻」と「賢母」は両立しにくいと割り切ってから、ずいぶん気持ちが楽になりました。そもそも自分は「良妻」にも「賢母」にもなれないと自覚していますし、「賢母」が必ずしも子どもにとって良い母親かというと、違うような気がするのです。
現在3児のママである私の親友が、以下のように言ったことがありました。
「親なんだから子どもに良いことをしてあげたいと思っていた時期もあったけど、そんなことより一緒に楽しく遊んでくれるお母さんの方が、子どもにとって良いお母さんなんだよね。自分が好きじゃないことや、疲れている時には無理しないって決めてるの。だって、イライラしちゃうから。それこそ、子どもにとってよくないよね。絵本も、疲れた時は『今日はママ疲れてるから、ごめんね。明日必ず読んであげるね』って謝っちゃって、勘弁してもらってる。その時ぐずりはするけれど、約束を守ればそのうち納得してくれるようになるから」

ちなみに彼女は、保育士と幼稚園教諭の双方の資格を持っているプロであり、子育てに関して私が色々なことを参考・勉強させてもらっている方の1人です。いちばん上のお子さんは現在小学3年生になり、自分で決めた夢や目標に向かって日々、努力をされています。そして、確実に、ひとつずつ夢を実現させているのです。彼女が本気になった時には、どんなことでもやりとげてしまう粘り強さと集中力を発揮することは明らかです。

多くの先生方には叱られそうですが、私は、子どもの学力を伸ばしたかったら「1日何分の家庭学習」や「したくない勉強を無理強い」するよりも、子どもと一緒に楽しい時間を過ごす方が、効果が高いと最近特に思います。
よく「勉強は、人のためでなく自分のためにするのだ」と言われますが、小さな子どもにとって「ママに褒められたい!」「大好きなママの喜ぶ顔が見たい!」というモチベーションこそが、何事においても“頑張るための原動力”になるように感じるからです。
そもそも子どもというのは、『今』が大切な生き物です。「将来役に立つから、今のうちから頑張っておこう」などということを子ども自身が意識し、納得して実行できるわけはないのです。また、ママと過ごして楽しかったその瞬間が「心地よいもの」として記憶されるため、その時に目にしたことや、触れたことについても「心地よいもの」と感じます。たとえそれが、どんなに高度な学問に相当しても「心地よい記憶の中のにあるものは、やはり心地よい」のです。
つまり、「学ぶことは楽しい!」と子どもが感じるには、「学んだことが心地良い記憶の中にあること」が重要なのです。

このように考えると、子どもたちが答えた理想の親像は、子どもの能力を伸ばすことと直結していることに気付かされます。無意識でのことですが、多くの子ども達が、自分がいちばん伸びるための原点を、このアンケートを通して私達に教えてくれたように思えて仕方ありません。