切ったリンゴは、なぜ変色するの?
キッチンでできる理科の実験
今回はリンゴについて取り上げてみたいと思います。
リンゴはおいしく人気の高い果物ですが、一つだけ難点というか、ちょっと気になってしまうのは、切ってしばらくすると断面が茶色く変色してしまうこと。すりおろしたやつなんて、全体的に茶色くなってしまいます。
変色したところでとくに健康に影響を及ぼすわけではありませんが、やはり食欲を若干そがれてしまうのは否めません。
なぜリンゴは茶色く変色してしまうのでしょうか?
リンゴには『ポリフェノール』という物質が含まれています。これは、イソフラボンやカテキンといった、植物が光合成を行う際にできる物質の総称で、リンゴのみならずほとんどの植物に含まれています。
また、そのポリフェノールの酸化を促進する『酸化酵素』というものも含まれています。ポリフェノールが空気に触れると、酸化酵素のはたらきによって茶色く変色してしまいます。なので、リンゴを切ると断面が空気に触れ、茶色くなるのです。
では、リンゴを変色させないためにはどうすればよいのでしょう?
空気に触れさせなければいいのですから、宇宙空間で切ったりすりおろしたりすればいいのです。ただ、NASAの協力が得られるかどうかが問題ですが…。
リンゴを変色させないための方法は、多くのみなさんがご存知のことでしょう。切断面を薄い食塩水につけることです。
0.85%程度の濃度の食塩水を使うのがよいそうですが、これは空気に触れさせないためというより、食塩水が酸化酵素のはたらきを抑えるからだそうです。
また、すりおろす場合は、金属のおろし金を使うと酸化が速まってしまうため、プラスチックなどでできているおろし器を使うこと。おろし器に食塩水をかけて使うと、さらにベターです。
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