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得意科目をさらに伸ばす学習方法

まんべんなく、ではなく得意科目を伸ばす

受験に有利に働く条件とはいったい何なのでしょうか。こう考えた場合、やはり私はまず第一に得意な科目をつくる事だと思います。主要5科目のうち、得意科目と準得意科目を各一科目ずつもち、残り3科目は平均以上の点数確保をめざすのです。

なぜそのほうがよいのか。それはすべての科目が得意であれば何も問題はありません。しかしほとんどの人は何らかの得意、不得意な科目を持っているのがふつうだからです。この状態で各自が総合点を引き上げるには、どうしても得意・準得意な科目にたよらざるをえないのです。

実際、いままで合格する受験生を見てきて、私はそう感じています。それだから、今すべての科目が、あまり変わらず、似たりよったりという人は、まず得意な科目をつくる事から始めてほしいのです。得意な科目にしばらくこだわってみると、それを中心に全体が見えてくるようになってきます。あるひとつの事にこだわってそれに長けてくると、その事が別の科目の学習にも役立ってくるのです。

例えばラケットなどの道具を使っておこなうスポーツにはテニス、バドミントン、卓球、野球、ゴルフ、ホッケーなどがあります。これからスポーツを始めようとするなら、この中から、まずは自分の得意な種目にこだわってみることです。そしてテニスに関心があれば、まずテニスの上達にこだわってみるのです。さらにテニスの中でもフォアハンドストローク、バックハンドストローク、フォアボレー、バックハンドボレー、サーブやスマッシュの中から自分の得意なものに的を絞り練習をおこなうのです。

フォアハンドストロークを得意なものにしようと思えば、肩の使い方、腰の回し方、ひじの使い方、グリップの種類などにこだわって練習してみましょう。そしてフラットだけでなくスライスやスピンの回転のかけ方にまでこだわるのです。あなたが練習によりフォアハンドストロークが安定し、得意になってくると全体が見えてきて、そのほかのボレーやサーブまでよくなってくるのです。

最初からすべてをバランスよく平均的にもっていくことは、できない事はないのですが、それはむずかしい。それより得意なものを核とし、その認識を中心に繰り返し練習をおこない、他の技術も獲得していくほうが全体として有利なのです。

学習において、あなたが理科が得意であれば、理科の学習にこだわってみる事です。例えば火山の噴火を学習している時、火山ガスの成分のほとんどが水蒸気である事を知ります。それはなぜなのか。あなたがその疑問をもてば、そのことにこだわって百科事典やインターネットなどで調べてみる事です。近年噴火した火山である有珠山にいついて調べれば、より身近に感じ興味を持って調べることができるでしょう。

地下深くにある高温のマグマが大量にある地下水と接触がおこると、液体である水を気体である水蒸気にかえてしまいます。すると水は体積膨張を起こし、高温のマグマとともに、水蒸気になって急激に上昇してきます。
その結果、噴火の際、火山噴火物とともに大量の水蒸気を含んだ火山ガスを放出する事になるのです。この火山の噴火も大量にある地下水に冷やされ、やがて噴火がおさまります。火山ガスの成分が水蒸気である事の疑問から調べた結果、いろいろ他のことも知るようになってきます。例えばマグマが地下で上昇してきたものの噴火が起こる前に地下水で冷やされ沈静化すれば、土地の隆起が起こる事も知る事ができます。それと同時に断層もおこります。

またあなたがV字谷、扇状地や三角州という言葉を知るとします。しかしそれぞれについてなんとなくわかるけれど、そのちがいがまだわからない場合、そのことにこだわって調べてみる事です。するとV字谷は山の頂上付近の川の水の急流でできる事を知ります。そして扇状地は山から平野に川が流れ出るときに、扇形に土砂をたい積させることにより形成されることも知ります。また三角州はさらに川が河口付近まで流れてきたときに、その付近に土砂をたい積させてできるものです。

こういうふうに得意なものにこだわって学習を進めていくと、それが学習の中核を形成する事になってくるのです。この中核を形成する過程が別の学習をするときの洞察を生む事につながります。それでは得意なものにこだわって学習をおこなうときに必要なことは何でしょう。

そのひとつはノートをとることです。ノートをとるメリットは学習した知識を言語化することにより、知識の定着をよくすることにあります。また忘れかけたときにそのノートを開きみる事で記憶の想起が容易になる事です。またノートは反復練習を可能にします。学習だけでなくスポーツの技能でもノートは効果を発揮します。例えばテニスのフォアハンドの打点はもう少し前とノートに書いておくと、忘れかけたときそのノートを見ることで思いだします。たとえ練習のブランクがあっても「前だ」という事を思い出し、反復練習を可能にしてくれるのです。

学習だって同じです。3年前に習ったことでもノートを見ることで、そのときの学習をありありと思い出させてくれ、反復練習を可能にしてくれるのです。またノートをとること事体が心理的な自我関与を高めてくれます。ノートをとること事体メリットが大きい反面、面倒くさいものです。しかしそのめんどくさい事を続ける事が、心理的な自我関与を高めてくれるのです。つまり長くそのことを記憶に残してくれるのです。次にある程度、得意な形に持っていければ、今度は参考書や概論書などの本を読む事です。スポーツなどの技能でもある程度得意になってきたら、技能を言語で表した概論書を読んでみるとよいでしょう。その得意を核としてさらに技能の習得に拍車がかかる事になります。

学習の場合、参考書や概論書を読む事で、その中核をなしたものから、さらに全体を理解する事ができるようになってきます。得意な事を核に全体が見下ろせるのです。

このように得意なものにこだわることに必要なことはまずノートをとることです。そして参考書や概論書から全体を理解する事です。得意な科目ができれば、同じ要領で他の科目も学習をおこなえば、準得意科目もそのうちにできるはずです。