学力が高い子のノート、10の法則
当たり前のようでできていないこと
これらができる子は、確実に学力が高い。学力が高い子は、確実にこれらができる。そういう10の項目を、ご紹介します。
お子さんのノート(特に国語と算数のノート)をご用意の上、早速チェックしてみてください。
【1】ノートに書くとき、適度な空間をとりながら書けているか?
・式や計算を並べて書くとき、縦に並べる場合は最低1行、横に並べる場合は最低1cm、隙間を空けて書いていますか。(別々の式や計算がくっついて、ごちゃごちゃになっていませんか)
・1問目と2問目の間は、1行以上空いていますか。
・学習内容が変わるときには2〜3行空ける、あるいは次のページから書き始める、といったことができていますか。
【2】数字や文字を、大きく、はっきりと、丁寧な文字で書けているか?
・1マスに書く数字は、2文字までにしていますか。パソコン等で言う「半角英数」のイメージです。小学3年の前半までは「1マスに1文字のみ」でなければいけません。それ以降は、桁数の多い計算が出てくるので、2文字で構いません。
・1マスの中に、分数の分母と分子の両方を書いていませんか。
分数では、必ず上下2行を使わせなければいけません。算数では、6年生までずっと、マス目のあるノートをお勧めします。
・計算の途中でメモした筆算(補助計算)の文字も、ある程度(だいたい5mm以上)の大きさで書けていますか。
【3】線を書くときは、すべて定規で書いているか?
・文章を読むときに引くアンダーラインやサイドラインは、定規を使ってまっすぐ書けていますか。
・分数の真ん中の線や、筆算の線は、定規できれいに書けていますか。
・表、グラフ、線分図など、すべて定規で書けていますか。
定規は、10cmのミニ定規がお勧めです。ノートの片方のページの上で自由に回転させられる大きさだからです。
【4】日付がちゃんと書いてあるか?
・学習した日付が、ちゃんと一定の位置に書いてありますか?(あとでノートを振り返るときに、日付は欠かせないのです)
【5】教科書のページ数が書いてあるか?
・「P.25」のように、くっきり・はっきり書かれていますか。
「この問題、前にやったことがあるような……そのとき、自分はどんな解き方をしたんだっけ?」
「この問題、以前やった方法でできそうだな……どこに書いてあったっけ?」
こんな風に振り返るとき、ページ数も日付も、必ず役立ちます。
【6】問題番号がちゃんと書いてあるか?
・これも、4、5と同様です。
・当然のようなことですが、書いていない子が非常に多いのです。
【7】文の終わりに、「 。」をつけているか?
・何度言っても、すぐつけ忘れる子……たくさんいます。数え切れないほどいます。しつこいくらいに指導して習慣づけることが欠かせません。
【8】段落の最初は、1マス空けているか?
・これも、当然のことなのですが、できない子がたくさんいます。
【9】消しゴムで消すときは、うっすら跡が残らないように、きれいに消しているか?
・跡が残ると、特に算数の場合、致命的です。新しく書いた数字が読み取れなくなるからです。0を消したあとで6を書いたとしましょう。0が残っていると、それが0なのか、6なのか、8なのか、分からなくなるのです。雑な文字だと、余計にそうなります。
・きれいに消さないとノートが汚くなってきて、気づかないうちに、学習意欲が減退します。
【10】自分の名前を、漢字で書けているか?
・どんなに難しい漢字が使われていようと、それは自分の名前です。幼稚園児だって、書けていいのです。いや、書けるようにしなければなりません。まだ習っていないから書かない、なんていうのは、おかしな話です。親が、教えてあげればいいのです。
・憲二くんは、「憲」を習うまでは「けん二」と書き続けるべきなのでしょうか。七美さんは、「美」を習うまでは「七み」と書き続けるべきなのでしょうか。最初から、漢字で書かせるべきです。人生で出会うすべての漢字の中で、最も大切な漢字なのですから。
私は、小学校教師の間、これら10の項目を徹底して指導しました。
その結果、「1人残らず全員」が、これら10項目のうち少なくとも8つ以上の力を、身につけました。
徹底する、といっても、目をつりあげて怒鳴るわけではありません。
淡々と、「残念、書き直しです」と告げ、直させるだけです。
そして、ちゃんと書けたら、大いに褒めたたえるのです。
10の「漢字氏名」については、私が1人1人全員に書いてあげた漢字氏名の“お手本”を写させながら、書写の時間に指導しました。
子どもたちは、その日・その時から、嬉しそうに自分の名前を漢字で書くようになりました。
「先生、ありがとう!初めて自分の名前、全部漢字で書けたよ」
その子は、もう10歳になる子でした。10年間、自分の名前を漢字で書いたことがなかったのです。
この10項目をご覧になって、「当たり前のことばかりじゃないか」「こんなことができない子がいるのか」と思われたかもしれません。
しかし、当たり前のことができない子は、たくさんいるのです。
これが現実です。
その現実を嘆くのではなく、親が、教師が、日々の指導を重ねていくようにしましょう。
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