テレビドラマでラブシーンやベッドシーンが流れた途端、親に勝手にチャンネルを変えられたという子ども時代の記憶がある方も多いでしょう。でも、そこで何も言わずにチャンネルを変えるだけでは、子どもは学びのチャンスを失ったまま。なぜチャンネルを変えるのか説明してあげるのが、子どもを守れる大人です。では、何と言ったらいいのでしょうか。
「こういった場面は、大人になって判断力がついてから見るべきだとお母さんは思う」「テレビドラマは作り話で、実際に起きる出来事とは違いすぎるの。それをあなたが見ることで、まちがった知識を持ってほしくない。お母さんはあなたを守りたいのよ」などと、言葉にして伝えたほうが賢明です。逆に、「またこういうの見てるの?もう、いやらしいわね」などとは言わないでください。毅然とした態度で接する親の態度を見て、子どもは、産業としての性(コマーシャルセックス)、妊娠出産に関係なく男女の関係性上にある性(コミュニケーションとしてのセックス)と、命を授かり育てていく性(リプロダクティブなセックス)の違いを感覚的に知ることになるのだと思います。もちろん精神的な絆がある関係でそれが営まれることが大切だと伝えたいものです。
ただしお医者さんごっこなどを無理やり抑制してはならないと、京都大学名誉教授で生殖生理学の大島清教授は言っています。ご著書『子供の脳力は9歳までの育て方で決まる』(海竜社)によれば、8歳までに刻印された性的アイデンティティーは一生変わらないそうです。性心理的な脳の発達にともなう配線のようなものを「ラブ・マップ」といい、生育環境からの因子が脳の変化に影響を与えるとあります。子どもの性意識を作る情報の操作をすることは、親として子どもを幸福にするために必須なのです。
私たち親世代のその親世代は純潔教育を受けていて、性を表現する言葉を持つことなく社会に出て子育てを始めました。しかし、私たちは大量な性産業に囲まれる環境での子育てで、「性を語る言葉を持たない」など言っていられません。「ラブシーンはよくあること」と麻痺してしまわず、その質を問う意識を持ってください。一人の大人として成長を続けながら、自分の性、子どもの未来の性、それぞれを悲しいものにしないための考えを言葉にすることから始めましょう。
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