10代を襲う、性感染症の脅威
エイズが増えている唯一の先進国、ニッポン
エイズをはじめとする性感染症。日本の10代の性感染症の発症は、年々爆発的な増加傾向にあり、欧州の10倍以上とも言われています。ヨーロッパやアメリカでは、積極的にエイズ教育に取り組んでいます。
「学校で取り組んでくれるからいいわねぇ」と思うかもしれませんが、欧米では各家庭で、性感染症についてしっかりと子どもに伝えている家庭が多いのです。
日本は各家庭の保護力が小さく、「全部、学校がやってくれる」と思いがち。そのように周囲への依存を当然としているためか、現在、日本は先進国の中でも唯一、エイズ感染が毎年増加している国となってしまいました。
1日3.5人がエイズに感染しているとされる日本。何もしてくれない行政を攻撃しても、自分の子どもは守れません。知識不足を理由に、望まぬ妊娠をしてしまったり、性感染症にかかったために不妊症の原因になったり、あまりにも負うリスクが大きすぎるのが現状です。
子どもの将来を親子で大切にする、これほど深いテーマはないと思います。
クラミジアの猛威
性の健康医学財団のWEB情報などを見ると、15歳女子でクラミジアに感染している推定数は23人に1人といわれています。
高校3年の男子では7%台、女子では13%台の割合で、クラミジア感染症の陽性反応が出るとされています。
これは、どういうことを示唆しているかというと、子どもたちが将来親になる未来が、10代のうちに奪われてしまうということです。10代でクラミジアにかかっても症状がないために、本人たちが気づくことはありません。学校が集団検診をすることも、もちろんありません。保護者が病院に連れて行く以外、判定することはできないのではないでしょうか。
それ以前に、子どもたちが10代になって性に関心を持ち始めたとき、予防教育を各家庭で行うべきではないでしょうか。性の健康教育方針が国としても安定していない現在の日本では、そうするしか子どもの未来を守る方法はないと思います。
つまり、親から子どもへの性の健康教育の機会を創出し、連携し、協働していかないと、どんどん子どもたちが性の病気にかかってしまうということです。
性感染症を防止すれば、望まぬ妊娠も減る
性感染症防止について伝えることができると、避妊具使用の知識がつき、望まぬ妊娠を減らすこともできます。
現在、日本で誕生している赤ちゃんは毎年105〜110万人ですが、人工妊娠中絶件数は30万件以上と言われています。出生数は新聞などでよく報告されますが、この生まれた命と生まれなかった命の合わせた数、年間140万人が合計妊娠数です。
日本では、1日80人の10代が望まぬ妊娠をしていることになります。10代の出産は諸外国に比べて低いことから、望まぬ妊娠をした結果、人工妊娠中絶を受けていることがわかります。これは、男子を持つ家庭も、女子を持つ家庭も、現状として知っておいてください。
子どもが早すぎる性行動をしないように、日ごろから性について子どもがどう思っているかをヒアリングしたり、避妊の話を家庭内で話題に出せるような日ごろのあり方が問われると思います。
大切な子どもたちから、望まぬ妊娠を防いだり性感染症を防いだりすることは、方法論を話すだけでは効き目がありません。性器名称などの知識を提供するだけではなく、産まれてきた力の物語を聞かせることで、命の大切さを伝えられると考えます。
親がよく話しかけている家庭の子どもは、性行動開始年齢が遅いというデータがあることは過去にもご紹介しました。性行為に関しては「これは大人がすること。赤ちゃんの命が始まる方法は1つ。家族の命が授かることなのだから、心とからだと暮らしが重なっている男女がすることだよ」と一般論を聞かせましょう。「心が重なっていない人と、からだは重ねられないよね」「大切なあなただから、いつか幸せに家族を持ってほしいから言うね」と、自意識や自尊感情を高める物語をたくさん聞かせてあげましょう。
産婦人科医たちからは、「中絶するなら避妊してほしい」「子どもを守る意識をもって、予防策を各家庭で考えてほしい」など、悲痛な叫びが届きます。これからの若い女子たちから、望まぬ妊娠を防ぐことをいったい誰が教えるのでしょうか。まず、親です。私たち子どもの親には、子どもの未来をつむいでいく体を健康に保つ義務があるのです。愛情を具体的に伝えるために、10代のお子さんを持つ親御さんは、性の健康のための知識を子どもに贈りましょう。
(バースコーディネーター・大葉ナナコ)
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