第26回 担任の先生となじみになる方法とは?その3
前回と前々回で、先生となじみになる方法として次のものを紹介しました。 懇談会での話の聞き方、学校に来たときの挨拶や短い会話、町中で偶然会ったときを生かすこと、家庭訪問や面談などを生かすこと。
次に、連絡帳でコミュニケーションを取る方法もあります。 また、学校や先生によっては、本読みカードや生活カードで親との連絡を取る場合もありますので、それを使ってもいいでしょう。 連絡事項以外で書く場合、内容面で気を付けることとしては、家庭訪問や面談と同じようにプラス面を多くすることです。 あとは、もう少し日々の生活に関わることを書くのもいいでしょう。 例えば、子どもの様子、おもしろかったこと、がんばっていることなどです。 このようなことを伝えることで、子どもとその親への理解度もなじみ度も上がっていきます。
でも、本当に正直な話、先生たちにとって大勢に返事を書くのはかなりの負担です。 あまり回数が多かったり書く人が多かったりすると、それに多くの時間が取られることになってしまいます。 そうすると、本来子どもと会話したり、触れ合ったり、勉強の分からない子を見たり、授業の準備をしたり、宿題を見たりなど、いろいろしなければならない時間に、その返事を書くことに追われてしまうことになります。 それでは全くの本末転倒です。
「幼稚園や保育園の先生は必ず返事をくれたのに…」と思うかも知れませんが、小学校の先生に同じ対応を求めるのは無理なのです。 現役教師時代の私も、子どもとの会話や触れ合いを最優先に考えていたので、親への返事はけっこう素っ気ないことも多かったです。 サインだけとか、「はい」とか「了解」と書くだけだけのことも多かったです。 その辺の事情は毎年懇談会で言って、了解してもらうようにしていました。
このようなわけで、連絡帳の最後に、一言「お忙しいと思いますので、お返事はけっこうです。サインだけお願いします」などと書いてくれてあるとすごく助かるのです。 同時に、「配慮のある人だな」とも感じて、好感度アップは間違いありません。 なじみというのはいい印象が大事なのです。 ただやたらにやり取りが多くても、その分、逆の印象を持たれては何にもなりません。
こういう話は、親の側からすれば虫のいい話だと思うかも知れませんが、これが正直なところなのです。 現場の先生たちは、親たちが想像する以上に日々ものすごく忙しいのです。 勉強面でも生活面でも、今は以前よりはるかにきめ細やかな指導と配慮が求められています。 本当にいろいろな子どもがいて、いろいろな親がいます。 何事においても個別対応の必要性が増加してきています。
それなのに、日本は相変わらず40人学級のままなのです。 先進各国は、全て、20人から30人だというのに。 30年も前の、今の大人が育ってきたときと比べて、学校の状況は大きく違ってきているのです。 それは、23年間現場でやってきた私にはよく分かります。
それでは、連絡帳に何も書かないのが一番かというと、それだとなじみになるという目的を果たすことができません。 ですから、適度であることと配慮があることを大切にしながらやるといいと思います。
さて、なじみになる方法の最後として、年賀状や暑中見舞いを挙げたいと思います。 子どもが主になって書いたものに、親も言葉を付け加えるというスタイルがいいと思います。 ところで、これは内容によって効果に大きな差が出てきます。 私の経験から、もっともうれしいものは次の2つが両方ともあるものです。
1,親の好意が伝わってくるもの
2,一家の様子がよく分かるもの
もっとも、この2つは、今まで紹介してきた方法の全てにおいて一番大切なものなのですが。
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