まずは本との対話から!読書感想文の書き方
好きな本・嫌いな本をあげてみよう
わたしたちは、好きなものは頼まれなくても人に紹介します。
「これ食べてよ」
「この映画、面白いからさ」
「どこがいいの?」などと尋ねられたら、いつまでも語り続けます。
そして、好きなものと同じくらい、嫌いなものにも心を動かされます。
苦手な食べ物、苦手な感じの人などについては好き、と同じくらい語ります。
好きと嫌いという反応は、共通の衝動に基づいているという説もあります。
つまり、好きという表現をするか、嫌いという表現をするかだけの違いでおおもとは同じ、とする考え方です。
わたしは、好きなものや嫌いなものを紹介するときのワクワクした感覚で読書感想文を書いてほしい、と思っています。
そこで、好きな本と嫌いな本の2冊を用意してください、とお伝えしています。
嫌いな本はおそらく読んでいない、あるいは、読み終えていないと思います。それでいいのです。
手に取ったのは自分ですから、嫌いな本は好きになった本と同じような、あるいはそれ以上のエネルギーをもっているはずです。
ちょっとしたはずみで、ある部分が違っていれば好きな本になっているかもしれないのです。
そのことを「本と対話する」という活動で感じ取ってほしいのです。
「タイトルは気に入ってますか?」
「表紙のデザインはどうですか?」
「小見出しはどうですか?」
「厚さや文字の大きさはどうですか?」
質問に答えていってください。
「登場人物は誰に似ていますか?」
「作品に出でくる場所は気に入ってますか」
「最後のシーンは気に入っていますか?」
少し内容に関する対話もしてみましょう。
読んでいないときは、どうなっていたら読みたくなるのか、自分の希望を書きましょう。
そこがその方の『視点』です。
「この物語にはどんなテーマ曲をかけたいですか」
「この本を読み終えたらしたいことはなんですか」
「ドラマ化するなら誰を主人公にしたいですか」
「この本はどこで読みたい?誰にプレゼントしたい?」
「どんな色のイメージですか?においや音はしますか?」
ちょっと遊んでみましょう。イメージを膨らませてみましょう。
わたしたちは、手に取った時点で本と仲良くなりたくて、嫌いだとされる本ともなんとかして折り合いをつけたいのです。
こうして本と対話をしてから、この新しくできた友達を親しい仲間に紹介するように、感想文を書くのです。
本を「受け取るもの」とだけ考えると苦しくなります。わたしたちも本に何か与えているはずです。
時々わたしたちは、友達や家族、上司やパートナーに『こうあってほしい』と求めすぎてしまいます。自分の希望を押しつけてしまうこともあります。
そんなとき、わたしたちの間には対話が不足しています。
もしかすると、本も人も同じなのかもしれませんね。
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