夏休みの日記で作文力アップ
どこにも出かけなかった日は何を書けばいい?
作文力育成のためのチャンスはさまざまなところに転がっています。国語の授業で音読の宿題などが出されているようでしたら、教科書の音読の一部を暗唱作業へと流用させてしまうという方法は以前にお話ししました。他には、夏休みの絵日記の宿題なども作文力を伸ばすいい機会です。
夏休みの絵日記というのは、その日に自分が行ったことや出来事について書くわけですが、毎日が毎日特別なことをやるわけではないため、子どもの立場としてはどうしても書く材料がなく、困った挙句にいい加減な内容で済ませてしまうか、架空の事実をでっちあげて書いてしまうかするわけです。ですが、こうした何気ない些細な日常を文章化するというところが、逆にチャンスであるということを覚えてください。
たとえば、連日どこにも出かけなかった場合を考えてみましょう。すると、今日も何もしなかったから書くことがない、と書くことを諦めてしまうでしょうか。それでは絵日記になりません。ここで投げ出す前に一歩踏みとどまって考えてみましょう。
日々暮らしている中で一日たりとも同じ日はないのです。きっと、昨日と今日とが同じように見える場合においても、食べた食事や見たテレビ番組も異なりますし、親の手伝いをした日もあれば友達と遊んだ日もあるはずです。そのように、細かいところでは出来事は異なり、出来事に応じて子ども自身の感じたことや考えたことは異なっているはずです。
そうした些細な感情の機微をあえて掘り起こす作業を行い、絵日記に書いてみてください。子ども同士の喧嘩から仲直りに至るまでの感情の起伏を描いたり、毎日通う学校のプールでも、その日は特別にいつも以上に長い距離を泳げて達成感を得られたのではないでしょうか。
このように、普段は意識しない出来事や喜怒哀楽の感情を文面へと掘り起こす作業は、観察力をつけるという意味で、作文を書いていく上で大切なプロセスとなります。是非、夏休みの絵日記や、普段日記をつけている人はその点を気にとめて書いてみてください。
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