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中学入試の定番「重箱読み」と「湯桶読み」

理解できている?漢字の音読み、訓読み

つぎの漢字の音読み・訓読みがしっかりわかっているか、お子さんと一緒に確認してみてください。なお、( )のなかの数字はその読み方を学習した学年を示します。

1.栄  音読み(4)
     訓読み(4)

2.十  音読み(1)
     訓読み(1)

3.花  音読み(1)
     訓読み(1)

4.先  音読み(1)
     訓読み(1)

5.急  音読み(3)
     訓読み(3)

6.当  音読み(2)
     訓読み(2)

7.黄  音読み(3)
     訓読み(2)

8.野  音読み(2)
     訓読み(2)

9.指  音読み(3)
     訓読み(3)

10.路  音読み(3)
     訓読み(4)

わからない場合は、漢和辞典で一緒に調べてみましょう
Infoseek オリジナル漢字検索データベース

4〜5年生のお子さんなら、これらの漢字は日頃から普通に使っている漢字です。
しかし、音読みは?訓読みは?と1つずつ問われると、意外と答えられないお子さんが多いのです。

漢字には中国より伝えられた発音をもとにした読み方である「音読み」と、漢字の意味と同じ意味をもっている日本の言葉(「和語」と言います)をあてはめて読んだ読み方である「訓読み」があります。漢字をしっかりと身につけるためには、この違いを理解してそれぞれを覚える必要があります。

では、つぎの漢字の読み方は音読み?訓読み?

1.胃(い)
2.絵(え)
3.茶(ちゃ)
4.肉(にく)
5.菊(きく)

答はすべて音読みです。

つづいて、漢字の音読み・訓読みの応用編です。
二字熟語の読み方です。二字熟語の読み方には4つのパターンがあります。

1.音読み(音・音読み)…… 乗車・読書
2.訓読み(訓・訓読み)…… 手紙・青空
3.重箱読み(音・訓読み)… 台所・本物
4.湯桶読み(訓・音読み)… 雨具・場所

この4つのなかでむずかしい読み方が、重箱読みと湯桶読みでしょう。中学入試でも定番の問題ですね。

そもそもなんでこんな読み方が生まれてきたのでしょうか。なにか規則性はあるのでしょうか。このような質問を海外の学生から受けることがあります。
そこで熟語の読み方について、その歴史を少しお話ししましょう。

いま、わたしたちは当たり前のように漢字の音読みと訓読みを日本語として学習しています。
しかし、漢字の音読みがいまのように訓読みのペアとして考えられるようになったのは室町時代も末の頃からなのです。それまでは漢字の音読みは中国語として(発音はかなりなまって日本語化していますが)4種類のアクセントである四声とともに学習されていました。
それが室町時代末になると漢字の音読みの大衆化がすすみ、それにともなって重箱読みや湯桶読みのような熟語が生まれてきました。湯桶読みという言葉自体、室町時代末の文献にも出てくるほど歴史的な名称なのです。
このように漢字の音読みの大衆化とともに生まれてきた読み方ですから、そこに規則性を見出すこととはできません。やはり、もとになる1つ1つの漢字の音読み、訓読みをしっかり身につけていくしかないようです。

中学入試に出題される熟語の読み方、とくに重箱読み・湯桶読みの区別に関する問題はだいたい似たような熟語が出題されますので、漢字ドリルなどでまとめて学習する方が効果的でしょう。