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受験の荒波を泳ぎ切るためのヒント

実力がある人ほど引っかかるワナ

偏差値65くらいまでと70くらいは正直、世界が違います。
65くらいまでは実力でかなりいけますが、70くらいになるとなかなか。絶対にとれないというわけではありませんが。
いや、ありきたりの模試で偏差値70とった人でも、いわゆる難関大学で実際の偏差値レベルが65くらいだと合格が難しいものです。その理由のひとつを紹介しましょう。

わかりやすいように、私立大学の受験を例にとります。
まず、難関私大のよくやる「手口」にものすごーく難しい問題を混ぜておくということがあります。
解ける方がどうかしている、と言えるくらいの問題です。しかも、こういう問題を、わざと最初の方に放り込んでおいたりする。

するとどうでしょう?
難しい問題かどうかは、受験生にはなかなかわかりません。しかも、難しい問題といっても、見た感じは解けそうな気がする。

するとどうでしょう?
実力のある人は、解こうとします。しかし、なかなか解けない。
あれ、おかしいな。解けそうなんだけど…。
そうやって、どんどん時間を浪費します。そして、かけてはいけないほど時間をかけてしまう。

するとどうでしょう?
気づいた頃はもう手遅れ。そのあとにあった、解ける問題でさえも解く時間がなくなってしまう。

ひゃ〜、怖いですね。これが「勝負の世界」です。
ほとんどの塾や学校では、「これは悪問だ」「こんなのは解けなくていい」などと言ったりして、一応、解説をしたりするのではないでしょうか?
こんな問題を出す方が悪い。大丈夫。こんな問題、解けないのが当たり前だから、解けなくても心配いらない。と、言われる。
そんな慰めなどどうでもいいのです。慰めより、厳しい現実への対処法。

大事なことは、そういう問題にかかわらず解いていく、ということ。
こういう問題は実力のある人ほど引っかかりやすい。
しかし、土壇場で逆転するような人は、ちょっと試してみて「どうせ解けないから後回し」と次の問題を解いていく。受験問題に潜んでいる地雷を踏まずに解いていけたりするのです。
実力のある人は、地雷を踏んでしまう。
出題する側も解けないのは承知の上でこういう問題を出したりします。

おわかりでしょうか?
言われたことを言われたとおりにやって、「練習はウソをつかない」「勉強量はウソをつかない」などと思い込んで、ひたすら勉強に頭を使う。
しかし、合格することに頭を使わない。

いま挙げた例は、数あるワナのひとつに過ぎません。
普通の模試では、そんな「悪問」と言われるような問題を出さないのです。
だから普段の勉強では、穏やかな波で泳ぐことばかり練習する。いくら穏やかな波で泳ぐ実力がついたところで、試験という荒波が襲ってきたときには、ひとたまりもないというわけです。
なぜなら、荒波を乗り切る泳ぎの練習をしていないから。

というわけで、普通の模試で、いくら偏差値70やそれ以上いったところで、それは、「穏やかな波を泳ぐ実力の偏差値」であって「荒波を泳ぐ偏差値」ではないということ。
難関校になればなるほど、あの手この手で荒波を繰り出してきます。

それを模試などの「穏やかな波の偏差値」で、「荒波」を計ろうとするから、やたらと難関校の偏差値レベルがあがるのです。
穏やかな波での偏差値70を乗り切れても、荒波の偏差値65だったら、ひとたまりもない、というわけです。

わたしは、バルセロナオリンピックの元代表だった人にコーチになってもらってつらくないマラソンの走り方を教わりました。
そのコーチ曰く、「間違ったフォームで走れば走るほど、足を痛める」と。

あー、なんでも一緒だな、と思いました。
「練習はウソをつかない」なんて言って、間違ったフォームで練習すればするほど足を痛めるのです。
間違った練習なら、しない方がよっぽど足のためだというわけですね。
「勉強量はウソをつかない」なんて言って穏やかな波の乗り切り方ばかりやっていると、本番では、そういう人向けに仕掛けられたワナに見事に引っかかるというわけです。