良いことを進んでやる子に育てるには?
「しなければ」ではなく「してあげたい」という気持ちが大切
しっかりとした信念を持っている子ども。そんな子どもに育って欲しいですね。
子どもは無邪気で、なんでもありです。自分だけの世界にいてもいい幼い時期はそれでもいいのですが、他者との関係が深まってくると、してもいいこととしてはいけないことの選択が必要になります。
もちろん、自分を危険から守るという意味でも、してはいけないことがあります。するかしないかを決めているもう1人の子ども(自我と言ってもいいもの)は、判断の物差しを持たなければなりません。
子どもはしたいことをして、したくないことはしようとしません。その判断は時として自分勝手になります。
してもいいことか、しない方がいいことかという第2の選択が必要です。女性のバッグをひったくって逃げるとか、盗撮とか、やたらと増えてきた○○詐欺、ネットの中傷書き込み、いずれも第2の選択が外れています。
第2の選択を確かなものにするしつけが不可欠です。歯止めを失うと、その後の進む道は裏返っていく公算が大きくなるからです。
社会生活では、行動に対する責任が伴います。それが第3の選択、しなければならないことと、してはいけないことです。
する・しないの責任を果たすためには、具体的にいくつかの行動例を身につけることが必須となります。正直でなければならない、嘘をついてはいけない、優しくしなければならない、殴ってはいけない、約束は守らなければならない、人を裏切ってはいけない等、身近な社会的原則をしつけておけば、他の原則も類推することができます。
したいことをする、したくないことはしない。その選択はかなり強力です。
しつけの最も深い奥義は、よいことをしたいと思い、悪いことはしたくないと思うように気持ちの植え付けをすることです。
よいことをしたら褒められて、よい気持ちになります。悪いことをしたら叱られて、嫌な気持ちになります。
その区別がはっきりとしているしつけを受けると、子どもはしたいことをすることで、道を踏みはずことが少なくなります。
困っている人がいたら、助けなければと考えるのではなく、助けてあげたいと思うようになることです。助けなければと教えることはできます。その先の助けたいという気持ちは育てなければならないことです。
教育とは、教えの後に育てが控えていることを知っておいて下さい。育てが伴わないから、例えば、バスの中で席を譲ることを考えるところで足踏みします。恥ずかしいという気持ちが邪魔をします。どうすればいいのでしょう?
人に喜んでもらうことがうれしいという気持ちを持たせるのです。
アリガトウと言ってもらったときのうれしさを、しっかりと気持ちの底に届くまで与えてやりましょう。
喜ばせてもらおうと思っているのはわがままであり、共感という関係は生まれません。喜んでもらおうとすれば、よい関係が作れます。
人と仲良くなる秘訣は、ドウゾと相手のことを大切に思う気持ちから出る言葉と行動です。その気持ちの表出が自分を生かすことになります。
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