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ストレスをためずに子供に注意する方法

「手紙」は最終通告

・朝、清書する

息子さん、娘さんとの3人暮らしのお母さんから聞いた話です。

そのお母さんが心がけていたことは、普段からがみがみ細かいことを言わない、ということでした。お父さんがいれば、ここぞという大事な時には、お父さんがびしっと言ってくれるから、お母さんは安心して、普段がみがみ言うことができる。
でも、お父さんがいないから、普段細かいことばかり言っている自分では、いざという時に、大事なことを教えることができない。それで、少しくらいのことは、目をつぶって、黙って見守るようにした。

ということです。

以前にも書きましたが、お父さんとお母さんが「遠い視線」と「近い視線」のような役割分担をきちんとすれば、子育ては力を抜いて楽しくできるものではないかと、私も思っています。

でも、お父さんだけ、お母さんだけしかいない場合は、1人で2つの相反する役目を持たなければいけないので、やはり大変でしょう。このお母さんは、そこのところをよくわかって、がんばり続けたのだなあと思います。

さて、ここからが、今日のお話の肝です。
どうしても言わなければならないことがある時は、このお母さんは、手紙を書くことにしていたそうです。なぜ、直接言わないかというと、しゃべりだすと、それまで溜まっていたものが全部出てしまい、その時いちばん言いたい大事なことがしっかり伝わらない、という経験をたくさんしたからだそうです。

しかし、その手紙にしても、書いているうちに、やはり、言いたいことが山のように出てきて、長くなってぐちゃぐちゃになってしまいます。それを我慢しながら整った文を書こうとすると、自分のストレスがたまってしまいます。そこで、そのお母さんは、夜、子どもたちが寝てから、自分の思っていることを、とにかく全部手紙に書くことにしました。

時には、書いても書いても書ききれないほど、いろいろ言いたいことが出てきました。それを全部書いてしまうと、子どもに直接言ったわけではないけれど、自分の中ですっきりしたそうです。
そして、次の日の朝、子どもが起きる前にそれを読み返します。もし、直接子どもにぶつけていたら、余計なことをたくさん言っていたなあと反省することが多かったそうです。
読み終えると、その中から大事なことだけを清書し、子どもに渡します。何度か繰り返すうちに、子どもたちは、手紙は「最終通告」だと感じるようになりました。

やんちゃなことも、たくさんしたお子さんだったようですが、次第に「もうそろそろ手紙が来る」と察するようになり、手紙を書く前に、お母さんの言いたいことを理解できるようになった、とそのお母さんはおっしゃっていました。

すべての親子関係で、手紙がベストだとは限りません。
しかし、このお母さんがしたように、「自分も無理せず(ストレスをためず)、しかも子どもたちに大事なことを伝える方法」を探すのは、とても大事なことだと思います。

今日の話をまとめます。

○親はいつも、相反する見方をする目を、同時に持っていた方がいい。
○子どもには、冷静に大事なことを伝えなければいけない。
○でも、そのために、親自身にストレスが溜まっては、親子ともども幸せになれない。
○無理しなくても、きちんと伝えられる方法は、必ずある。