四字熟語を楽しく覚える
数字が入っている四字熟語って何だろう?
児童が興味・関心をもって学ぶ事項のひとつに、ことわざや慣用句、故事成語とならんで「熟語」があります。熟語の学習をする際に、児童に1つの「視点」を与えることで児童はよりいっそう興味・関心をもって課題に取り組み、学んだ内容が記憶に残るものとなります。
「視点」の与え方にはいくつかありますが、今回は「数字」に目を向けて取り組んだ事例を紹介します。
◇「視点」を持って四字熟語を調べよう
(1)「一期一会」 1文字・3文字目が「一」
これは一文字目と三文字目に「一」という数字が使われているものです。
例:一期一会 一朝一夕 一喜一憂 一芸一能 等
ちなみに私が調べた範囲では、24個ありました。
(2)「一石二鳥」 数字が連番
これは以下のように数字が連続して使われているものです。
「一○二○」「二○三○」「三○四○」「四○五○」「五○六○」「六○七○」「七○八○」「八○九○」「九○一○」
例:二束三文 三寒四温 五臓六腑 …… 九牛一毛 等
(「六○七○」の熟語は見つかっていません。ご存じでしたらご連絡ください)
(3)「晴耕雨読」 反対の意味の言葉
これは1文字目と3文字目が反対の意味をもつものです。
例:右往左往 天変地異 等
どの場合も、児童は楽しみながら熟語探しをしていました。もちろん見つけただけで終わらず、熟語の意味やそこに出てくる言葉も学習することで語彙(い)が増えていきました。
上に示したものの中には途中に数字が入ったり(例:唯一無二 朝三暮四)、途中に反対語が入ったりする(例:空前絶後)ものもありますが、第1文字目がわかっている方が、子供たちが辞典で調べやすくなります。また、児童が所有する小学校用の辞典では限界がありますが、「家にあるものを使ってもいい」と課題にしておくと、自宅で調べてくる児童がたくさん出てきます。
「視点」を与えることで、児童は楽しみながら「四字熟語」をおぼえていきます。そこからさらに、新しい熟語を知ったときにも自分で「視点」を持って熟語をみるようになります。たとえば「先生、動物が入っているものを見つけたよ(鶏口牛後 羊頭狗肉 等)」というふうに自分なりの視点をもって熟語調べをしてきます。
読者の先生方のクラスでも、教師が1つの「視点」を与えることで、児童が興味・関心をもって学習に取り組んでくれることを願っています。
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