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子供の好き嫌いを解消するためには?

「野菜を食べないこと=悪いこと」ではない

食べ物への嗜好は、人によってそれぞれ違いがあります。
誰でも大好きな食べ物があり、苦手な食べ物があります。好きな食べ物でも、なんだか食べられない日もあります。また食べたいけれども、食べると体調がすぐれなくなることもあります。

食べられないものを「食べなさい」と言われたら、大人でも困ったと思うものです。まして子供は、どんなにか窮状に追い込まれた気持ちになることでしょう。
「野菜嫌い」は、人間にとってごく当たり前のことです。野菜類の多くは、多少なりとも苦味があり、苦味は人間が本能的に拒否したい味なのです。
野菜の栄養価や必要性を熟知した大人は、「子供も最初から野菜を食べるべきだ」と思いがちですが、こういう大人も自分では記憶していなくても、同じような成長の道筋をたどってきたのです。
食事は、好きな人と一緒に食べる生活行為です。子供は、好きな人がおいしく食べているものや様子を模倣して少しずつ口にし、その上にほめられるような心地良い経験を何回も何回も繰り返しながら、いつしか野菜もおいしいと思えるようになるのです。

食べ物の1つ1つをおいしいと受け止められるようになることが、嗜好の発達です。
離乳食で食べていた野菜を、2歳ぐらいになるとペッペッと吐き出すことがあります。また、小さく刻んだものまでも上手につまみ、はじき出すこともあります。これは、微妙な味がわかってきた味覚の発達のあかしです。否定的にとらえないようにしましょう。
☆無理に食べさせようとせず、大人が“おいしいな”という表情を伝え、ゆっくり時間をかけて、少しずつ慣れさせていきましょう。
☆食べる時の環境が、心地良いか不快感を募らせるかによって、嗜好の発達は左右されるので、家族と食卓を囲み、楽しく和やかな雰囲気をつくってあげましょう。

人に食品の好き嫌いがあることはごく普通ですが、極端に食べられる食品が限定される場合、偏食と言います。
たとえば野菜を全く食べない、パンだけしか食べられない、などという場合です。

これは乳幼児期に体験する食品の種類が単調であったため、いろいろな食品、または特定の食品を学習するチャンスが少なく、適応ができなかったことが原因です。
☆偏食にさせないためには、子供に食べさせるものを日々調理すること。
 食べ物は季節や調理、味付けによって微妙に変化が生じるために、食事をするたびに異なる変化の刺激を受けているのです。
☆食べるときには、テーブルを囲んでおいしさを共に味わい、受け止め合うようにしましょう。
 食事の場は、子供の体だけでなく心にも栄養を与える大切な場でもあることを、心にとめておきたいですね。

            引用文献<「子供の食事食育発達」安藤節子著>