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逆境から必ず抜け出せる!戦争の悲話が伝えるメッセージ

人間魚雷「回天」の搭乗員

「艦長、南十字星はどれでしょうか?」
星明りしかない暗夜の海上。
問いかけられた艦長は、思いもよらない質問に少しとまどいましたが、一呼吸おいてから、水平線のあたりを指差して答えました。
「今は見えないが、しばらくすると、あのあたりに、きれいに上ってくるよ」
問いかけた若者は、艦長が指差したあたりの水平線を、しばらくジッと眺めていました。
若者は、やがて艦長に向き直ると、敬礼をして最後の挨拶をしました。
「これから『回天』に搭乗します。本艦の武運をお祈りします」
若者は、人間が乗り組んで敵艦に体当たりする魚雷、人間魚雷「回天」の特攻隊員だったのです。

乗艇した回天は、整備員がハッチを外から閉めて、ボルトで締め付けます。
だから発進した回天からは、絶対に生きて出ることはないのです。

「ハッチ閉鎖してください!」
搭乗員が「回天」の中から声をかけても、整備員は固まって動けません。
いくら任務とはいえ、生きた人間をこんな魚雷に閉じ込めて、自分の手で閉鎖することができないのです。
搭乗員から、何度も強く言われて、整備員は泣きながらハッチを閉鎖します。

空の特攻隊ならば、まだしも逃げ場があるかもしれません。
エンジンの不調で南の島に不時着して、生還した特攻隊員の話も聞きます。
でも、「回天」には、髪の毛一筋ほども、生還の可能性はありません。

私は、呉の大和ミュージアムに展示してある「回天」を見て、本当に胸がふさがりました。
多くの人々の幸福のために、彼らはこんな恐ろしい鉄の棺に自分の身を置いたのです。
これほどまでに逃げ場のない状況は、絶対にありえません。
そしてこうも思いました。
この回天搭乗員の「逃げ場のない環境」を思えば、人生、どのような逆境からでも、抜け出すことが可能だと。
どのように追い込まれて、絶体絶命な窮地であろうとも、それは、あの鋼鉄の棺に搭乗した、雄雄しき魂たちとは比較にならないと。

人生には、様々な苦しみや逆境が訪れます。
それは「いじめ」で理不尽に未来が閉ざされることもあるでしょう。
しかし、どうか絶体絶命だと、あきらめないでもらいたいのです。
智慧の限りを尽くし、両親に応援を頼み、こうしたNPOに駆け込んでもいいでしょう。
どうか「逃げ場がどこにもない」と、一人だけで苦しまないでください。

冒頭の「回天」の搭乗員の話は、私は、ある書籍で知りました。
一度でいいから南十字星が見たい、というのが、彼の夢だったのかもしれません。
しかし、短い人生のほんの一瞬だけ訪れたチャンスでは、残念ながらそれはかないませんでした。

ですから彼のためにも、私たちは「南十字星」を見なければなりません。
何としてでも生き抜いて、自分なりの「南十字星」を、何度も何度も見つけるのです。

無限の可能性を信じましょう。
逆境から脱出するルートは必ず探し出せます。
生命への道は見つけ出せるのです。

なぜならばあなたのハッチは、絶対に外からは閉鎖されないのですから。