「速さ」の問題、わかりやすく教えるには
先を予測する能力が必要
「速さってなに?」という子供の質問にハッとしたことはないですか?
おそらく親御さんは「そんな分かり切ったことをいまさら聞いて…」と煙たがるくらいではないでしょうか。
そしていやいや説明を始めると意外や意外!深みにハマッテしまうことがあります。
そうなんです!「速さ」という概念はわれわれが感覚的に捉えることができるその分、あまり意識して紙の上で説明しようだなんて思わないものです。
車に乗って、スピードメーターをみて「これが50キロだよ」とお子さんに言えば大抵は説明がすんでしまったと同じことですから。
しかしながら、ご承知の通り算数の場合はそうはいきません。
そしてまず教えなければいけないのが、「速さ」というのは単位時間に進むことができる距離であるということです。
それが1時間なら時速、1分なら分速、1秒なら秒速といった具合になるわけです。
子供達が備えている感覚はいわゆる体感速度だけですから、
「時速30キロのまま同じ速さであと2時間走ったら車はどこにいますか」などの質問に答えるためには、先を予測する能力(感覚や空想といってもよい)が必要になるわけです。
(もっともその能力を養うためにやる勉強ですから、それがないと問題が解けないなどとは本末転倒なのですが…)
よく「うちの子は速さが苦手で…」という質問を受けますが、最近では理科の実験のように速さを「予測」させるように教えています。
速さが苦手の子供に共通していえることは、時速という子供にとってみれば体感速度(3次元的といってもよい)でしか経験できなかったことが紙面に、
つまり2次元にされてしまうことにより起こる戸惑いなのではないかと思います。
たとえば子供じみているかもしれませんが、ミニカーを机の上におきながら「このミニカーは時速30キロでここからここまで動きます。3時間後にはどこにいますか?」など…紙の上で教えることを、言わばもう一度「体感速度」にもどしてやる手助けをしてやることによって理解は深まるようです。
それから、問題に使われている言葉遣いも独特なものがあります。国語力の低下が叫ばれる中、問題の意味をすぐには理解できない生徒もいるのでしょうか。
どうして言っていることが分からないのかということではなく、どう言い換えれば理解できるのかを考えていくことがいいでしょう。
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