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親の働く姿、見せていますか?

親の働く姿を見る子どもは知恵が育つ

一流の経営者であり大学でも教えているお二人、堀絋一氏と日下公人氏の対談を読んでいたら、非常に興味深い個所がありました。

「サラリーマンの息子よりも商売人の息子のほうがしっかりしている」というのが両者の一致した意見です。

なぜそうなるかというと、理由の一つは、商売人(自営業)の息子は親がお客さんに頭を下げるのを見たことがあるからだそうです。

確かに、商売人(自営業)の子どもは、物心ついたときから、「ありがとうございました」「申し訳ございませんでした」と、親がお客さんに頭を下げる姿を見ています。

子どもがむずかっても親は毅然とした態度を取り、返す刀でお客さんには笑顔で接している。

一つの品物で、わずか10円、20円の利益を上げるために…。

これが社会で働くということであり、お客を大切にするということであり、生活していくことなんだということを真近で見て勉強します。

ところがサラリーマンの家では、親が外で仕事をしている姿をほとんど見る機会がありません。

親の輝いている部分も見えないし、頭を下げているところも見えません。

仕事で困っているときに、どんなふうに対処しているのかもわかりません。

だから、
「知識の点ではサラリーマンの子どもで一流大学を出た人のほうが上だろうが、知恵となると、恐ろしく頭が働かない」
というのが両者の共通した意見です。(『「考える力」が身につく本』)

親が一生懸命に働いている姿を見るか見ないかは、物や人を大切にする心が育つか否かということにも関係があると思います。

学校で小学生に物を大切にするように教えたときに、

「この鉛筆やけしゴムは、君たちのお父さんやお母さんが一生懸命働いてかせいだお金で買ってくれたものだよ。感謝して大切に使おう」

と言います。

しかし、自分の父親や母親が人に頭を下げたり、汗水垂らして働いたりしている姿を見たことのない子どもには、「一生懸命働いてかせいだ」と言ってもピンとこないのです。

「ぼくのお父さん、本当はどこかでお酒飲んでるんだよ。夜遅く帰ってくるけど、その後、お母さんとけんかしてるもん」
と言う子もいます。

これでは、父母への尊敬の心も育ちません。

別にお酒を飲んで帰ってきてもいいのですが、一生懸命働いてる姿もしっかり見せておいたほうがよいと思います。

百聞は一見に如かず。

子どもには、言葉で説明するよりも、見せたほうが訴えるものがあります。

ただサラリーマンが、現実的に、子どもを会社に連れてくるのは難しいと思います。

それでも、自分が取り組んでいる仕事のことを子どもに話して聞かせたり、自分が作った製品や売っている商品を子どもに説明したり、職場の様子を子どもに話してやったりすことなどで、

親が働いている姿を子どもは少しは想像できるかと思います。

人が一生懸命に働く姿は美しいものです。

自分の親が一生懸命に働く姿を見て育つ子どもは、一生懸命勉強し、一生懸命働く人になっていくと思います。

★今日のプラスアップ1★

子どもに働いている姿を見せよう。
かっこいいところも、かっこわるいところも・・・ (^.^)