作文が得意な子どもになる!
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「一瞬を長く書く」。これこそ「描写力」を高める決定的秘訣だ!
レベルAの作文は、ウォータースライダーを滑り始める場面から、滑り降りて凱旋?するまでの間の、ほんの30秒程度を描写した文章です。つまり、「一瞬」を描いているのです。
にもかかわらず、文章の長さは、400字詰め原稿用紙で1枚を軽く超えています。
それに比べて、レベルCの作文は、「今日1日」の全体を書いているにもかかわらず、文章は短く、面白さもほとんどありません。
レベルCの中の「ウォータースライダーというすべり台みたいなのをやったとき、パンツがぬげそうになったけど、楽しかったです」という場面に【限定】して【ズーム・イン】して描写したのが、Aの作文なのです。(逆に言えば、レベルC作文の「決定的な弱点」とは、【ズームアウト】しすぎた、ということなのですね)
つまり重要なのは、【一瞬の場面にズーム・インする】こと。
言い換えれば、【たった1枚の写真を文章化する】ということ。
これさえ守れば、細かいレトリック(表現技法)がなくても、かなりいい作文が書けるはずなのです。(先のレベルAは、滑る前と後の「2枚の写真」ですが意味合いは同じです)
写真を使って鍛えよう!
そのための練習としては、実際に撮った最近の写真を使うとよいでしょう。日常の写真、家族旅行の写真、その他なんでもかまいません。(ただし、子ども本人が写っていなければなりません)
まずは、写真に「セリフ」や「音(擬音語)」をつけてみましょう。
そして、そのセリフの場面の「事実」(誰が何をしているのか。どんな場面なのか)について、簡単に説明します。
さらに、その場面での「自分の気持ち」を書き加えます。
できれば、擬人法などの比喩を用いたりしながら。
擬人法の作り方については、48号に詳しく書きました。
参照→ http://www16.ocn.ne.jp/~wildcard/06-mysite-tiryoku.html
そのようにするだけで、先のレベルAに近い作文の“骨組み”が出来ます。
“肉付け”には、やはりそれなりの表現力が要されますが、肝心なのは骨組みですから、あとはどうにでもなるのです。
ところで、【たった1枚の写真を文章化する】と言っても、その1枚の写真をどれにするかが、迷うところですね。
それには、作文化するのに最適な“写真”(瞬間)を選ぶ力が必要です。作文化する“一瞬”を選ぶ際の基準は、下記のとおり。
●「楽しい」「うれしい」「悲しい」「苦しい」「辛い」「怖い」……など、
形容詞で表現できる感情とつながりのある場面・瞬間を選ぶ。
●「びっくり」「なぜ?」などのように、心を動かされた場面・瞬間を選ぶ。
(驚き、疑問、発見…など)
●一番盛り上がった場面・瞬間を選ぶ。(ただし、「花火大会」だからといって、
それが花火の場面とは限りません。花火大会の帰り道の車内かもしれないし、
屋台で焼きそばを食べたときかもしれないし…。
子ども本人にとってのクライマックスを書けばよいのです)
いかがでしたか。「1日」を書かず、「一瞬」を書く。これぞ、秘訣です。
もちろん、これらの方法を活用しても、すぐにはA作文を書けない子も多数いるでしょう。しかし、そのような子どもたちだって、書く内容は豊富に持っているのです。ただ、「どれを書けばいいのか、見当がつかない」だけなのです。
そういう子の場合は、親ができるだけ書く内容を「引き出して」あげることが大事です。それには、「対話」が必要です。
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