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よく聞く言葉だけど…「醍醐味(だいごみ)」ってどんな味?

平安時代から愛されている「醍醐」の正体

・9回裏2アウトからの逆転満塁ホームラン。これが野球の醍醐味(だいごみ)。
・バスタオルをまいたまま、牛乳をグビッ。これが風呂上がりの醍醐味。

醍醐味という言葉を聞いたことがありますか。辞書を引くと、『その物事を深く経
験して得られるよさで、他の何ものにも代えることができないもの(新明解国語辞典・三省堂)』とあります。「もう、最高!」とさけびたくなるもの。それが醍醐味なのでしょう。

では、醍醐とはどういう意味なのでしょう。
醍醐とは、『牛乳やヒツジの乳から作った濃厚な、甘い食品。今のクリーム(同辞典より)』と書いてあります。
歴史が得意な生徒さんなら、思い浮かべる人物がいるはず。そう、醍醐天皇です。そんな昔から、クリームなんてあったの?なんとも意外で、古い時代に似つかない気がします。

まんが『美味しんぼ』の73巻に、この醍醐について書かれているので紹介します。
仏教の思想を述べた大般涅槃経(だいはつねはんきょう)には、「牛乳から酪(らく)を作り、酪から蘇(そ)を作り、蘇から醍醐を作る」と書いてあり、その醍醐が最高の味だったそうです。
そして、927年に制定された延喜式(えんぎしき)という法令には、「牛乳は1斗を煮て、蘇を1升(しょう)作る」と書いてあります。蘇とは、牛乳がかたまった成分のことなので、今のチーズに近いもの。それがさらにおいしくなって、醍醐になるのでしょう。

この延喜式をつくったときの天皇が、醍醐天皇です。名前に醍醐とつけるなんて、いかに蘇や醍醐が、当時の人々にとってあこがれの存在だったのかがわかる気がしますね。

ちなみに、チーズといえばフランスが有名です。
フランスでは、チーズの品質を守るために、材料から作り方まで政府が厳しく管理しています。
原料の乳の産地や乳を温める温度、型に入れるときのやり方まで、とにかくしっかり守らないと「高品質」のマークがもらえないそうです。
日本を見てみると、外国産を国産といってだましたり、主食のお米にカビや多量の農薬が混ざっていたり。少しはフランスを見習わないといけませんね。

食欲の秋も深まってきました。和食党の私ですが、たまにはチーズたっぷりの料理もいいかもしれません。
秋の醍醐味は、きのこたっぷり「きのこピザ」。冬の醍醐味は、かぼちゃホクホクの「かぼちゃグラタン」。なんだかヨダレがたれそうです。ジュルッ…。