意外に間違えている!?接続詞の正しい使い方
その話、本当に「詰まって」いる?
話をしていると、「つまりそれはね…」「まあつまりね…」というように、「つまり」をむやみに使う人がいませんか。
つまり…と言いながら、詰まるどころかむしろ話が長くなり、延々と続いていくケースも、たくさん見聞きします。
「つまり」とは「詰まり」です。
これ以上進めない「詰まった」地点、最終的な到達点、というのが、本来の意味です。
最終地点ですから、「つまり…」という話を聞いたら、聞いた方はその時点で「なるほどね」と納得できて、理解が完結しなければなりません。
では、どうすれば「つまり」をそのように正しく使えるのでしょうか。
ポイントは2つあります。
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【1】「AつまりB」のとき、「A=B」である。
【2】「AつまりB」のとき、Bは常にAよりも抽象的である。
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この2つさえ意識すれば、「つまり」を正しく使うことができます。
そしてこの2つさえ意識すれば、説明文・論説文の読解問題において、「つまり」はきわめて有効な“武器”となります。ただし、この「読解問題における使い方」については、またいずれ機を改めてご紹介できれば、と思います。
今回はまず、その前提となる2つのルールをしっかり身につけましょう。
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【1】「AつまりB」のとき、「A=B」である。
例1:デザートは、みかん・バナナ・りんごだった。つまり、果物だった。
A……「みかん・バナナ・りんご」
B……「果物」
A=Bになっていますね。
この場合のイコールは、数学的なイコールとは違います。数学的なイコールでは完全な同一性が求められますが、文章では、文脈上の意味合いが同じであることを意味します。
別の言い方をすれば、「BはAを言い換えている」ということになります。
そうです。「つまり」とは、「同じことを言い換える」接続詞なのです。
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【2】「AつまりB」のとき、Bは常にAよりも抽象的である。
例2:デザートは果物だった。つまり、みかん・バナナ・りんごだった。
この文、おかしいと思いませんか。
たしかに、【1】のルール「言い換え」は成立しています。しかし、何かがおかしい。何がおかしいのか。
それは、抽象化されていない(具体化されている)という点です。
果物→みかん・バナナ・りんご
これは、具体化です。文章にするなら、次のようになります。
「デザートは果物だった。たとえば、みかん・バナナ・りんごだった」
具体化ですから、「たとえば」ですよね。「つまり」とは、まとめるための接続詞なのです。例を挙げるための接続詞ではありません。
この「まとめる」ことや「ひとくくりにする」ことを、抽象化と言います。
詳しくは、下記をご参照ください。
★具体・抽象を、具体的に理解させよう
http://archive.mag2.com/0000193452/20070731134238000.html
★具体・抽象を、相対的に考える
http://education.mag2.com/osusume/2008/05/110.html
「AつまりB」のとき、BはAをまとめた内容、抽象化した内容になっていなければならないのです。
「つまり」と同様の働きをする接続語には、「すなわち」「要するに」「このように」などがあります。それぞれは微妙に違う使い方をしますが、今回はひとまとめに扱います。
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さて、ここまでおさえれば、あとは練習あるのみ。
今回は、小学4年生〜中学3年生あたりを対象に、問題を作ってみました。
いくつかを選んで、挑戦してみていただければと思います。
★問題……次のそれぞれの文章の、最後の部分を書きなさい。
1)学校では最近、遠足・運動会・秋祭りなどが続いた。つまり、―――
2)左眼を閉じた状態、あるいは右眼を閉じた状態では、見ている対象までの
距離を判断することは難しい。つまり、―――
3)ついこの前まではTシャツ一枚で過ごしていたのに、最近はもうマフラー
までほしくなってきた。そして気がつけば、そのマフラーもクロゼットにお
さまり、桜の頃になっているのだろう。このように、―――
★問題……次のそれぞれの文章の、前半の部分を書きなさい。
4)―――つまり、あの人はお金持ちなのだ。
5)―――言い換えれば、遅れてもいいということだ。
6)―――要するに、何事もやり過ぎはよくないということだ。
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解答例
1)つまり、行事続きだった。
2)つまり、両眼がそろって初めて距離が分かるのである。
3)このように、四季は目まぐるしく移り変わるということだ。
4)あの人は最近、二百万円の腕時計と、五百万円の車と、八百万円のダイヤを買ったという。つまり、あの人はお金持ちなのだ。
5)できるだけ定刻に着くように、と言われた。言い換えれば、遅れてもいいということだ。(できるだけでいい=できなくてもいい=遅れてもいい)。
6)薬を飲み過ぎて病気になることがある。また、運動をし過ぎて足腰を痛めてしまうこともある。そして、勉強をし過ぎてストレスがたまってしまうこともある。要するに、何事もやり過ぎはよくないということだ。
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さて、いかがでしょうか。
「言い換え」と「抽象化」の働きを生かして、適切な文章を書くことができたでしょうか。
ほかにも、さまざまな文章を書くことができるはずです。
みなさんも、問題作りを試みてはいかがでしょうか。
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