「失敗」をどう生かす?
「失敗」のあとは「反省」
保護者の“保護”というのは、小さな失敗を見守りながら、大きな失敗、怪我などしないように子どもの周りを守ることです。失敗しないようにかばおうとすると、それは過保護になります。子どもは失敗をすることで育ちます。歩き始めの伝い歩きの時に、転ばないように子どもの身体を支えてしまうと、転ばない練習ができません。歩くとは転ばなくなることなのです。たくさん転ぶから、転ばないようになろうと練習ができます。
失敗をすると言い訳をします。自分はちゃんとしていたのにと、自分のせいではないことを言い立てます。もちろん、不可抗力ということもあります。それは認めなければなりません。気配りが足りなかったり、不注意であるというときには、そのことをきちんと自覚しなければなりません。朝寝坊をしたとき、「ママが起こしてくれなかったから」という言い訳は通りません。人のせいにしている間は、育ちは停滞します。自分の失敗を認める素直さが育ちを促します。
小さな不始末をしでかしたら「ごめんなさい」と謝らなければなりませんが、そこで終わっては失敗の経験が生かされません。やらなければならないことは、不始末の後始末はどうすればいいのかということです。そのことをしっかりと教えてやってください。不始末を取り繕うずるさを覚えることになるかもしれませんが、そうするかどうかは別問題です。後始末ができれば、不始末の程度が幾分か割引されますし、何より逃げることをしなくなります。
失敗を認めたら、次は反省という段階に入ります。ここまではできた、その次のところでしくじった、その境界を見極めることが反省です。できなかったところを見つけようと自分の行動を振り返ることです。反省とは悔やむこととは違い、省みることです。しくじったところを特定できれば、そこをやり変えればいいのです。失敗したらやり直せばいいのですが、どこをやり直せばいいのかを見つけなければ始まりません。それが反省による課題発見力です。
同じことをしていても、うまくいく人と失敗する人がいます。運がよくなかったということで片付けざるを得ないつらいこともあります。そんな特別の場合を除いて、日常的な場面では運にばかり押しつけるのは、反省をしていないことになります。試験で間違えたときに山勘が外れて運が悪かったと投げていては、せっかくの失敗が無駄になります。自分の弱点が浮き上がってきたのですから、自分の課題が見つかったことになります。育ちのチャンスと後押ししてやってください。
・・・《子育ちは 失敗の後 反省し》
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